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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2006年02月27日17時12分掲載
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イラク駐留米軍装備がネット・オークションに流出 海兵隊員ら9人逮捕
イラクに駐留している米軍兵士が使用する軍需品を違法に入手し、インターネットのオークションサイトなどに出品していた女性に、米ペンシルベニア州フィラデルフィアの連邦地裁がこのほど、禁固6カ月と罰金刑などを言い渡した。女性は涙ながらに罪を悔いたが、裁判所は米軍兵士の装備が不足している中で、こうした犯罪は許しがたいと指摘した。またこの事件に関連し、軍装備をこの女性に横流ししていた海兵隊員8人も逮捕され、軍内部の士気の乱れを象徴する事態になっている。(ベリタ通信=エレナ吉村)
この女性は、米カリフォルニア州ビスタ出身のエリカ・ジャーダイン被告(47)。軍装備を被告に売ったのは、同州サンディエゴ郡にある軍事基地の海兵隊員たち。被告が新聞に出した「軍装備買います」の広告に応じて防弾チョッキなどを横流ししていた。
横流しされた軍装備は、防弾チョッキの中に弾の貫通を防ぐために入れられるプレートや、ヘルメット、防弾着など。装備が横流しされた時期は、イラク駐留米軍の兵士が、防弾着などの装備不足に苦しんでいた時期と重なる。それだけに米政府は、海兵隊員たちの無責任な対応におかんむりだ。
国土安全保障省当局者は、「イラクでわが軍が、防護用装備を必要としている時に、国内の軍事基地から装備が盗まれ、民間に売られるとは」とあきれている。
各種報道を総合すると、この事件では、まず被告が米当局のおとり捜査にひっかかって2004年に逮捕された。被告はそれまでに、不法に入手した軍装備をインターネットのオークションサイト「eBay」に出品し、数千ドルを稼いでいた。
捜査当局はネット上で軍装備が無断で売られていることに注目。その後、欧州のある武器商人だと装って被告に接近、数回売買を行ったあと逮捕した。
被告は05年、検察当局との司法取引で有罪を認め、刑が軽くなるのと引き換えに、軍装備を横流しする海兵隊員をあぶりだす第二次おとり捜査に協力した。第一次と同じように、新聞広告などで売却を呼び掛けた。その結果、8人の隊員がこれまでに逮捕された。
海兵隊員の逮捕者は今後増える可能性もある。一部の者は、イラク戦線に従軍しているともいわれる。隊員たちは軍事法廷で裁かれる見通し。
ジャーダイン被告の犯行の動機は、金欲しさ。会社勤めの身だったが、健康を害し、健康保険の資金を得るために軍装備の入手を考え出した。
裁判では、被告を知る近所の人々が、被告は地域社会に貢献していたと手紙を書き、情状酌量を要請。しかし、刑宣告に当たり裁判長は、被告がその後捜査当局に協力したことも考慮しても犯意は思いとして今月22日、禁固6カ月、6万3000ドルの罰金などを宣告した。この種の犯罪では、通常なら最高で20年の禁固刑も宣告される恐れがあっただけに、かなり寛大な刑といえるだろう。
一方、ネット上で販売された軍装備の一部は、既に回収されているが、今のところ、国外に流出した可能性は低いという。
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