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2006年03月12日13時35分掲載
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日中・広報文化交流最前線
JETプログラムで地方の知日派養成 井出敬二(在中国日本大使館広報文化センター長)
JETプログラムとは、"The Japan Exchange and Teaching Program"の略である。外国から若者を日本の地方に招き、地方自治体での国際関係業務や、外国語教育、スポーツ教育の教師として、1年間または2年間働いてもらう。費用は日本側負担であり、総務省、外務省、文部科学省、地方自治体、財団法人自治体国際化協会が協力して実施している。
▽中国の地方行政府で活躍するJET経験者
1992年から中国人青年(40歳以下)も、JETプログラムに参加している。近年は毎年50〜60名が選抜され、累計では6百名近くが既に日本に派遣された。在中国日本大使館広報文化センターは、中国外交部、中国各地方の行政府、財団法人自治体国際化協会北京事務所等の協力を得て、この選抜作業を行っている。年末から4月にかけ、選考作業と日本派遣業務が佳境に入り、担当者は大忙しである。日中の姉妹県・市間の協力関係強化のために、JETプログラムが果たす役割は非常に大きい。
中国からのJET参加者は、その殆どが、中国の地方行政府の国際関係部局(中国語では「外事弁公室」)から派遣される。彼らは、日本の地方で1、2年間仕事をした後、中国に戻ると、また地方行政府の外事弁公室で働く場合が殆どである。訪日前から既に日本語を勉強しており、中国帰国後は、日本語はもとより、日本での仕事の仕方、日本人のモノの考え方も理解して、中国の地方で働く訳である。
日本大使館員や日本の様々な団体、組織のスタッフが、中国の地方に出張に行く際にお世話になるのは、その地方行政府の外事弁公室である。この部局には、大抵、日本語を流暢に話す人が、一人か二人はいる。彼らは、JET経験者である場合が多い。 日本大使館の幹部が中国の地方の指導者と面会をする際、中国側からも日本語通訳が出てくるが、彼らの多くがJET経験者である。
▽地方でのJET経験者達との交流
過去10年余りのJETプログラムの実施の結果、中国の多くの地方行政府には日本語堪能な要員が育ってきた。中国の地方が日本との交流を盛んにすると言っても、日本語ができる要員を一つの省、市で何十人も必要としている訳では勿論ない。 そこで、最近は、地方行政府以外で働く中国人がJETプログラムに参加する割合が増えている。その一つの重要なグループは、大学の日本語教師達である。
中国では少なくとも38万人が日本語を学習している。これは、小中高校、大学、社会人全てを含むものであるが、実際はもっと多いと見られている(2003年、国際交流基金調査)。 筆者は地方出張の際に、大学の日本語学部をよく訪問する。日本語学習者数の増大に、日本語教師養成が追いついていない面がある。若い日本語教師達は、その大学の日本語学部を卒業したばかりで、日本に行ったことも無い人も多い。これらの日本語教師達が訪日できる機会をできるだけ沢山つくるべきである。
地方出張の際に、その地方にいるJET経験者に連絡すると、皆喜んで筆者と会ってくれる。そして、日中の交流と協力を強化したいと熱心に語る。「日本紹介文化行事を開催したい」「対日交流に従事する者として、訪日査証発給面での日本大使館の迅速な対応に感謝している」「中日の中学校どうしの姉妹関係造りを手伝って欲しい」「地方の貧困地域での学校建設、環境問題での支援など、日本の協力をお願いしたい」「中日間で表面的な交流が多いが、より深い交流をすべき時期にきている」「JET経験者達で集まる機会は嬉しい」。貧困、環境問題、日中関係を心配する人は多い。
実際、彼らの多大なる尽力も得て、いくつかの地方〜青島市、武漢市など〜では、日本を紹介するイベントを実施したこともある。ODAプロジェクト選定にあたっても助言を得ている。かっての北宋の都である河南省開封市で働くJET経験者は、自ら制作したという同市紹介の日本語パンフレットを筆者にくれた。
▽日本の地方で暖かく受け入れられることを願う
毎年4月に、JETプログラム参加の中国人が訪日する。北京出発前に、筆者は日本事情を説明し、歓送会を開催する。中国からのJETプログラム参加者は真面目だと、日本の地方でも評判が良い。日本の各地方で、彼らが暖かく受け入れられ、日本の地域社会にとけ込んでいくことを心から願っている。 (つづく)
*井出敬二(いで・けいじ):1980年外務省入省。OECD日本政府代表部一等書記官、在ロシア日本大使館広報文化センター所長・参事官(報道担当)、外務省アジア大洋州局地域政策課長、経済局開発途上地域課長を経て、2004年2月より在中国日本大使館公使・広報文化センター所長(報道担当)。昨年12月に出版した『中国のマスコミとの付き合い方』(日本僑報社)は注目を集めている。
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