日刊ベリタの記事がきっかけで、80代、50代、20代が一同に会して戦争体験と戦争を語り合う会が、25日に東京の世田谷区で開かれる。マドリード在住のベリタ市民記者、山上郁海さんが書いた「日本軍は中国で何をしたのか 元陸軍特務機関員・中谷孝氏の証言」と「ビデオ・メッセージの交換で比の戦争被害者と元日本兵の心の橋渡しを 若い日本人女性の挑戦」に登場する中谷さん(80代)と神直子さん(20代)に、ジャーナリストの浅井久仁臣さん(50代)が加わる。中谷さんにとっては、自分の戦争体験を公の場で語るのは初めてだ。(ベリタ通信)
山上さんは日本に帰国中の昨年、戦争を知らない若い世代のために元日本兵の聞き取りインタビューをつづけている神さんを取材したとき、その前に取材した中谷さんの戦争体験について話をした。神さんが関心を示してくれたため、山上さんはスペインにもどる直前に、中谷さんと神さんを引き合わせ、今回の講演会の構想が生まれたという。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●○講演会:「循環型社会に戦争はいらない」 〜80代、50代、20代が語る戦争体験と戦争観〜 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 元特務機関員の中谷孝さん(85歳)が戦後初めて公の場で語ります -------------------------------------------------- 虐殺のなかった戦争など古今東西ありません。 紳士が鬼になる。それが戦場です。(中谷さんのお手紙から)
戦後60年。戦争体験者が高齢化し、過酷な体験を話すことなく、胸にしまったままこの世を去る方が多いと聞きます。それらの体験者にとって残された時間は、後わずか。日々刻々と少なくなってきています。
「いつか来た道」を歩まないためにも今私たちに課せられた事の一つは少しでも多く貴重な証言に耳を傾け、それを語り継ぐこと。
戦時中、陸軍の特務機関員として南京周辺で活動をし、捕虜の斬首などに立ち会ってきたという中谷孝さん(80代)、ジャーナリストとして30年間に わたり各地の戦(紛)争を追い続けてきた浅井久仁臣さん(50代)、戦争を知らない私たちが語り継いでいかなくては、と元日本兵の聞き取りを一人で行い、その想いを被害にあった国の犠牲者の方々に届ける活動をする神直子(20代)がそれぞれの戦争を語ります。
日 時:3/25(土)14:00〜16:00 場 所:環境パートナーシップオフィス(東京都渋谷区)
http://www.geic.or.jp/geic/intro/access.html 参加費:800円(資料代含む) 要申し込み:naoko_j@hotmail.com または FAX:048-837-1793 まで、 お名前と参加人数をお知らせください。 主催:ピースメディア塾 共催:NPO法人BeGood Cafe Bridge for PEACE
プロフィール ●中谷孝(80代) 1920年東京生まれ。1938年東京府立第一商業学校卒業。高速機関 工業(株) 入社。翌39年、 支那派遣軍特務機関要員となる。43年、支那派遣軍総司令部 報道部に 臨時勤務した後、44年、再び特務機関員となる。45年敗戦後、中国に 留まり、中華民国陸軍総司令部に所属。1946年に復員。2001年、80歳にて退職 し、執筆を始める。
http://www.geocities.jp/yuumiyamagami/covernakatani.htm
●浅井久仁臣(50代) 1947年愛知県生まれ。英国留学後、AP(米)通信記者。その後、 フリーランス ジャーナリストとして、レバノン内戦、イラン・イラク戦争、北アイルランド戦争、湾岸戦争、旧ユーゴ内戦などの戦場を取材。TBS報道局の契約特派員を経て、現在、Blogジャーナリストとして活躍中。 著書に「レバノン内線従軍記」(三一書房)、「パレスチナは戦争館」(情報センター出版局)など。
http://www.asaikuniomi.com/
●神直子(20代) 1978年大阪生まれ。2000年青山学院大学雨宮剛教授主宰のスタディーツアーでフィリピンを訪問し、未だ戦争の傷跡の癒されない人々と出会う。2004年自分が関わった残虐行為を嘆きながら亡くなった元日本兵の話を聞き、双方の架け橋になりたいとそれぞれのビデオメッセージを撮るため取材を始める。Bridge for Peace代表。
http://blog.livedoor.jp/naoko_j/
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