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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2006年03月28日17時01分掲載
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イラク市民を取材すれば「民主化」が見える? 保守派が「「バルコニー取材」と批判、メディア側は反論
米国の保守系ラジオ番組で政治評論をしている女性が最近、対イラク戦争の取材をめぐって、米国の大手メディアの偏向ぶりを批判。イラク戦争の混迷で支持率が低下しているブッシュ大統領への援護射撃に乗り出している。“リベラル派”に支配された大手メディアは、ブッシュ叩きを意図的に行なうために、イラク情勢について米国民に悲観的な報道を行なっていると指摘している。これに対し、大手メディアも早速反論を行い、保守派の批判は的外れと述べている。(ベリタ通信=江口惇)
メディア批判を展開したのは、ラウラ・インガハムさん(41)。レーガン政権下でスピーチライターや、大手テレビで政治評論をした経験を持つほか、「ヒラリーの罠」(仮訳)などの著書がある。リベラル派批判の急先鋒の一人。
今月21日、米NBCテレビの朝の番組に出演し、最近バグダッドを訪れて取材した経験を基に、NBCを含む大部分の米国メディアの記者は、米軍管理区域(グリーンゾーン)内にあるホテルのバルコニーから、取材しているだけだと批判した。
「ホテルのバルコニー」という表現は、ジャーナリストが、街に出てイラクの地元民と接触して取材していないということを意味する。ラウラさんは、ホテルに閉じこもって、自爆テロや仕掛け爆弾による米軍の被害だけを伝えていては、イラク情勢の正確な報道とはいえないと指摘。その上で、大手メディアは、イラク住民の生活ぶりが、フセイン政権の追放によって、いかに改善されたかを伝えていないと述べ、ブッシュ政権がリベラル・メディアのネガティブな報道の“犠牲者”になっていることを強調した。
ホワイトハウスは、これまでも一部のメディアが、否定的な報道ばかりを行い、民主化の伸展ぶりなど明るい面を無視していると批判している。
最近、ブッシュ大統領が出席して開かれたウェストバージニア州での市民対話集会で、参加者の女性が質疑応答の中で、大手テレビ局は、米軍のイラクでの成果について積極的に報道していないと苦情を呈した。
これに対し、大統領は、聴衆に向かい、口コミやブログ(電子日記)、インターネットを使ってその趣旨を伝播してほしいと激励した。
ラウラさんの批判に対し、NBCやABCテレビなどが反論。NBCは、記者は誘拐や殺害の危険性から、大変困難な取材を強いられており、やむを得ないとの立場を強調した。
事実、イラク戦争が3年前に開始されて以来、犠牲になったジャーナリストやその助手の数は、86人に達している。米紙USAトゥデーによると、この数字はベトナム戦争で死亡したジャーナリストの63人を既に上回っている。
また各メディアとも、記者の治安面強化などで費用がかさむため、バグダッド駐留の記者数も開戦時に比べ、大幅に減少させている。
一方、戦争中にメディアを批判することは、ニクソン政権時代のベトナム戦争の際にもあった。ニクソン氏は、アグニュー副大統領を使い、テレビ局の悲観的な報道を批判する演説を何度かさせたことがある。
戦争が泥沼化し、国民の支持に陰りが見え始めた場合、メディアを批判するのは、時の政権の常套手段かもしれない。
米国の政治は、リベラルと保守派に大別される。メディアの世界でも大手テレビ局やニューヨーク・タイムズ紙などはリベラルな論調を好むことで知られる。これに対し、90年代半ば以降、FOXテレビなど保守系メディアが台頭し、ブッシュ政権を支持する姿勢を鮮明にしている。
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