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2006年04月26日15時57分掲載
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ネパール情勢
【IPSコラム】民衆の力に譲歩した国王 ネパール クンダ・ディシット
3週間にわたる民衆運動の高まりにギャネンドラ国王は24日、遂に譲歩し、4年前に解散させた議会を回復した。国王は迷ったが、既に手遅れだった。22日、10万人のデモ隊がカトマンズの王宮のすぐ近くまでに迫った。警察はゴム弾を撃ち、竹の棒でデモ隊殴り、数百人がけがをした。しかし、国際的な孤立、援助の打ち切りの脅し、隣国インドからの圧力に直面して、国王は最後に態度を和らげた。(IIPSコラムにスト・サービス=ベリタ通信)
「主権は国民にある」と真夜中の演説で国王は、厳しい表情で述べた。
それは、28日に再開される国会に出席することになる7野党連合の主要な要求に応じたものであった。
しかし、それは王制打倒のため過去10年間、ゲリラ戦を続けてきたマオイストの要求にはほど遠いものであった。
マオイストは、新しい憲法を起草する制憲議会のための選挙を要求し、そうしたプロセスを議会を通じて取るという約束を7政党から得ていた。
ギャネンドラ国王は2002年10月、首相を更迭し、昨年には全権を掌握した。国王はマオイストを打ち負かす必要があると言って、その行動を正当化した。しかし、国王はその代りに民主主義を解体した。国王は国際的に孤立し、ネパールは国際的に相手にされない国になった。支援国は援助を中止し、英国、インド、米国は軍事援助を停止した。
国王に反対する勢力は政党、市民社会、メディアが先頭にたち、厳格な不敬罪に逆らって、国王の絶対的統治を非難した。窮余の策として、政党はマオイストと緩やかな同盟を結び、先月、国王に圧力を掛けるための共同抗議行動を始めた。ネパールは封鎖とストでまひした。
警察は民主化要求のデモ隊を弾圧し、10人が殺され、数百人がけがをした。反国王感情が街に広がった。
政党は綱渡りをしていた。国王には圧力を掛け続ける必要があったが、デモが統制不能になり、無政府状態をつくりだす訳にもいかなかった。信じられない程うまくいった。数万人の医者、公務員、ジャーナリスト、弁護士、労働組合員が自発的に抗議デモに繰り出した。内務省の職員でさえストに入った。
議会は28日、マオイストの要求である制憲議会選挙について直ちに審議する。それはマオイストが暴力を放棄し、政治的主流に参加することに道を開く。この妥協策はインドが仲介し、国王、政党、マオイストの顔を立て、手詰まりから抜け出す道を与えた。
結局、3週間にわたる全国的な非暴力的な民衆の力は、マオイストが何年にもわたる武装闘争で達成できなかったものを勝ち取った。民主主義の回復で、ネパールの国際的孤立を終らせ、外国援助が再開されるであろう。和平によって、再建の仕事を始めることができる。そうなってから、ネパールは2600万人の国民のための医療、教育、栄養の改善に関心を移すことができる。
*クンダ・ディシット カトマンズの週刊紙ネパーリ・タイムズの編集長・発行者
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