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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2006年05月14日14時11分掲載
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テキサス州で無実の人間処刑の疑い 最期まで犯行を否認、支援団体や家族の声届かず
米テキサス州で自宅に放火し、幼児3人を焼死させたとして、2年前に死刑を執行された父親が、実は「無罪だった」との疑いが浮上している。米国で死刑を宣告された受刑者のケースを再検証している民間組織「無罪プロジェクト」が最近、追跡報告者の中で明らかにした。この死刑囚は、刑執行直前まで、「罪は犯していない」と叫んでいた。死刑では、間違って刑が執行されたとすれば、取り返しのつかない事態だ。これに対し、全米の中でも、ず抜けて死刑執行数が多いテキサス州当局は、誤審による死刑執行の可能性を否定している。(ベリタ通信=江口惇)
米メディアによると、2004年2月に処刑されたのは、カメロン・ウイリングハム死刑囚。1991年12月のクリスマスの二日前、自宅に放火し、2歳の幼女と、1歳の双子の男子の計3人を殺害した罪に問われた。しかし、同死刑囚は、12年間にわたって無罪を叫び続けた。
薬物注射による死刑執行が行われる直前にも、「私が言える唯一のことは、自分が無実だということだ。自分が犯してもいないことで12年間も苦しめられてきた」と、最期まで無罪を押し通した。
事件は、死刑囚の妻が子どもたちへのクリスマス・プレゼントを買いに出かけた後に起きた。ウイリングハム死刑囚の供述によると、2歳の幼女の泣き叫ぶ声がしたので目が覚めた。しかし、その時は部屋には煙が充満し、子どもたちを救出することができず、自分だけ脱出した。
裁判では、放火に関する鑑識専門家の証言が有罪の大きな決め手となった。出廷した専門家は、現場の焼き焦げた特徴から、ガソリンなどの引火物が床にまかれた放火殺人事件と断定した。
しかし、「無罪プロジェオクト」によると、当時の放火専門家は、ろくに科学的な訓練を受けておらず、専門家とは呼べる状態には程遠かったと強調、その上で放火と判断した根拠は薄弱だったと述べた。
同プロジェクトの責任者の一人、ジョン・レンティニ氏は、米紙ロサンゼルス・タイムズに対し、テキサス州が無実の者を処刑したと確信していると答えた。
▼テキサス州の死刑執行数は全米最多
ウイリングハム死刑囚の家族は、処刑前に、ケリー・テキサス州知事らに対し、無罪の可能性があるので再調査してほしいと請願したが、その声は届かなかった。
ケリー知事は、前任の知事だったブッシュ米大統領と同じように、死刑容認派で、テキサス州の処刑数は、依然全米一になっている。
同知事スポークスマンは、「処刑の妥当性が問題視されるのはよくあるが、なかなか解決できないものだ。しかし、知事の決定は、証拠に基づいたもの」と述べ、無罪の男性を死刑にしたとの見方に反論している。
テキサス州では2005年にテキサス科学捜査委員会が設置された。これは近年、警察の鑑識の間違いなどが相次いで指摘されているため、こうした問題を調査する機関として誕生した。
「無罪プロジェオクト」は、今回の報告書を同委員会にも既に提出し、速やかに捜査が開始されることを望んでいる。
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