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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2006年05月19日08時11分掲載
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豪華客船転覆の往年のヒット作を再映画化 今回は特殊技術を駆使
34年前に封切られた米映画「ポセイドン・アドベンチャー」が、ハリウッドで再映画化され、話題になっている。当時は大掛かりなパニック映画が流行していた時期で、興行的にも成功を収めた作品。2001年の9・11米同時多発テロや超大型ハリケーン「カトリーナ」などで深刻な打撃を受けた米国だけに、「自らが災禍に襲われたときに、どう対処するかを教える作品だ」との声も挙がっている。(ベリタ通信=苅田保)
米メディアによると、新作では、映画のタイトルは「ポセイドン」と簡単になった。ストリーは、大晦日の日に、豪華客船を巨大な津波が襲い、船は転覆する。船底が上になり、さかさま状態になる。ここから生き残った乗客が必死で救出を試みるという内容。モーゼが、イスラエルの民を率いてエジプトから約束の地カナンに脱出を図る聖書の記述を彷彿させる内容だとの解説もある。
オリジナル作品は1972年制作で、当時としては500万ドルという巨費が投じられた。映画は世界的なヒットになり、8500万ドルを稼ぎ出した。
70年代は、パニック映画が全盛期で、同じころに、「大地震」や「タワーリング・インフェルノ」が作られている。
当時、撮影中に何度か資金繰りで問題が生じたという。一部の乗客たちが船底から無事脱出するクライマックスでは、制作プロデューサーは、上空から船底を俯瞰するショットを撮ろうとしたが、資金不足でこれを断念している。
新作は、1億6000万ドルをかけて制作された。コンピューターを駆使した特殊撮影で、前作よりは迫力が増していると評判だ。しかし、船が逆さまという状況設定のため、俳優たちの生傷は絶えなかったという。また海水を想定して水をかぶるシーンが多く、風邪を心配しての撮影だったようだ。
オリジナルの「ポセイドン・アドベンチャー」では、俳優ジーン・ハックマンの扮する牧師が乗客たちを先導し、クライマックスで、自分の命を犠牲にして他の乗客を救う筋書きになっていた。
こうした作品の持つドラマ性などから、旧作は今でも人気を保ち、テレビでも頻繁に再放映されている。「ポセイドン・アドベンチャー・ファン・クラブ」も結成され、現在、2000人の会員を擁している。年次会合には、映画の出演者がゲストとして招かれている。
ファン・クラブの人たちの間には、子どもの頃にこの映画を見て病みつきになたっという人が多い。当時は小学生や中学生だった。これまでに400回も見たという人もいる。 それだけオリジナル作品への肩入れが深く、当時の出演者を自分の分身のように感じている人もいる。34年ぶりに再映画化されることに、メンバーたちは、あまり喜んでいないという。
旧作では、ベテラン俳優と若手がかみ合ったキャスティングだったが、新作では、若手が多く起用されている。メンバーたちは「当時のキャストは完全だった」が、新作が若手主体になったことに、やや不満を述べている。
また新作では、特殊技術が先行し、旧作のような心理面での描写が不足するのではないか心配している。
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