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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2006年05月22日23時58分掲載
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メキシコで海賊版DVDが横行、ハリウッドは収入減に
映画の都ハリウッドが今、頭を痛めているのは、映画の海賊版や違法コピーの横行だ。こうした違法行為で米国の七大大手映画会社が蒙った被害額は、2005年で61億ドル(約6700億円)に達している。中でも海賊版の販売が急増しているのが、米国と国境を接する中米メキシコ。海賊版の映画のDVDは、街頭でおおぴらに格安で売られている。米政府やハリウッドの映画業界団体「米国映画協会」(MPAA)が、メキシコ政府に海賊版の不正取り締まりの圧力をかけているが、あまり効き目はないようだ。(ベリタ通信=有馬洋行)
MPAAが最近発表した報告によると、DVDの海賊版の販売や、違法コピー、それにインターネット上でのダウンロードなどで、MPAAが蒙った被害額は、米国内で13億ドル、海外では48億ドルの計61億ドルに上っている。被害額は入場券の減少分などを根拠にして算出している。
映画の海賊版の販売に限ってみると、メキシコが“ブラック・マーケット”として急成長している。こうしたメキシコでの海賊版の横行により、MPAAの蒙った被害額は4億8300万ドルに達し、メキシコが最大の海賊版天国になっている。このほかの国々は、英国、フランス、中国、ロシアなどだ。
米紙ロサンゼルス・タイムズによると、首都メキシコ市では、白昼堂々、市庁舎付近の街頭で、海賊版のDVDが露天で売られている。純正のものは、プラスチックの箱ケースに入っているのが普通だが、ここでは、透明のプラスチックケースや、紙のケースに入れられて販売されている。
メキシコでの映画館の入場料は、50ペソ(約550円)。同国の労働者の半数以上が、1日130ペソ(約1430円)で暮らしていることを考えると、大変高く、映画に行くこと自体無理だ。しかし、海賊版の値段は、10ペソ(約110円)と安く、貧しい庶民にも手に入る価格になっている。
MPAAでは「映画は貴重な商品であり、知的所有権として保護される必要がある」と話しているが、メキシコでは、人々の間に知的所有権を侵しているといった感覚があまりないといわれる。
あるビデオ店の経営者(30)は、海賊版の横行について「大きな問題だ」と話す。しかし、貸し出したDVDが、コピーされているのか、規制がないためよくわからないと話している。
映画業界でも、MPAAや米政府の圧力を受け、海賊版や違法コピーをやめようと、啓蒙用のコマーシャルを流している。捜査当局も、大手の海賊版制作業者を摘発するなど対策に乗り出しているが、あまり効果は上がっていない。
メキシコの映画関係者は、メキシコでは、多くの人が貧しく、米国の映画入場料は高すぎると指摘。ハリウッドがもっと入場料を安くし、利益幅を圧縮すれば、メキシコでの海賊版数は減少すると話す。
一方、首都メキシコ市にある有名なノミの市テピトは、海賊版DVDのメッカともいわれる場所で、ここに足を運べば、最新の映画DVDの海賊版が手に入る。テピトでは、武器や麻薬の密売も行われているため、組織犯罪の温床にもなっている。しかし、危険な場所のため、警察もあまり立ち入ろうとはしていない。
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