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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2006年05月23日13時02分掲載
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米で服役経験持つ異色の女性法律家が誕生 法科大学院を晴れて卒業
米国の高校でホームカミング・クウィーン(学園祭の女王)にも選ばれ人気者だった女性が、麻薬事件に連座し禁固刑を宣告され投獄。絶望の淵に立たされたが、2000年に当時のクリントン大統領の恩赦で服役10年目にして釈放された。釈放後、彼女が目指したのは、長年の夢だった法律家になること。その夢の一歩が実現した。今月、名門校ミシガン州立大学ロー・スクール(法科大学院)を晴れて卒業した。米メディアは、異色の“シンデレラ・ストリー”として好意的に取り上げている。(ベリタ通信=江口惇)
話題の主は、ミネソタ州ミネアポリス出身のセリーナ・ナンさん(36)。敬虔なキリスト教徒の家に育ち、学業も優秀だったセリーナさんが、麻薬事件に関連し、しかも投獄されるとは、高校の旧友たちは夢にも考えていなかった。
セリーナさんは高校卒業後の1987年、アトランタのカレッジに入学。翌88年夏、ミネアポリスに戻っていた時、ラモン・ナンと知り合い、恋に落ちた。この恋がその後の彼女の人生を180度変えた。二人とも同じ姓の「ナン」だが、二人は結婚しておらず、同姓なのは、偶然の一致という。
ラモンは現地では有名な麻薬業者だった。89年5月、ラモンは米連邦捜査局(FBI)のおとり捜査にかかり、逮捕された。コカイン売買の現場まで、ラモンを乗せ、車を運転して行ったのが、セリーナさんだった。彼女の寝室からもコカインが見つかり、共謀の罪で他の仲間と共に起訴された。
▼恋人について不利な証言を拒否
セリーナさんは法廷でラモンに対する不利な供述を拒否。このため罪が減刑される司法取引のチャンスを失った。セリーナさんは当時19歳。前歴もなく、犯罪行為での役割もマイナーなもので、通例なら軽い処罰を受けるはずだったが、下された判決は禁固15年8ケ月。アリゾナ州の連邦刑務所に送られた。
夢だったミシガン州立大学のロー・スクールに進学し、法律家になる夢は「終わった」と思った。それから7年後の97年、故郷ミネアポリスの地元紙が、セリーナさんの苦境を報道。この記事を現地をたまたま訪れていたカリフォルニア州の弁護士サム・シェルドン氏が読み、無料で支援を約束した。この間、獄中でアリゾナ州のカレッジで通信教育を受けた。
シェルドン氏は恩赦実現に奔走。意外なことに、禁固刑を宣告した担当判事も、恩赦実現に協力した。判事は、恩赦請願のための手紙を書くことを引き受けてくれた。その中で、長期刑宣告は、法の規定でやむを得ないもので、この規定がなければ、長期の刑は宣告しなかったと述べた。
2000年7月7日、ホワイトハウスから、セリーナさんのいる刑務所に電話があった。それは釈放を命じるものだった。刑務所での生活は10年に及んでいた。奇跡が起きない限り、早期の出獄はないと思っていたセリーナさんは、小躍りして喜んだ。
出所後、2002年にアリゾナ州立大学を卒業。次いで長年の夢であるミシガン州立大学のロー・スクールに入学した。入学に際し、クリントン元大統領からの推薦もあった。前歴者がロー・スクールに入るのは、通常は簡単ではないといわれる。
正式の法律家になるのには、州の試験に合格する必要がある。その試験は7月にある。資格を取得したら、弱者のために働きたいという。クリントン元大統領は「私は、セリーナさんを大変誇りに思っている。彼女に第二のチャンスを与えたことは正しかった」と、コメントしている。
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