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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2006年05月28日10時20分掲載
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日中・広報文化交流最前線
中国の大学で日本文化を紹介する 井出敬二(在中国日本大使館広報文化センター長)
●中国人若者の対日理解をいかにして増進させるか
中国人の若者は、日本、そして日本文化に関心があるが、なかなか触れる機会が無い。特に内陸部の若者にとっては、日本文化は遠いものである。そこで、日本大使館と中国各地の日本総領事館は、各地の大学と協力して、「日本文化祭」と銘打って日本文化を、そして日本の様々な事情や対中協力ぶりを紹介する様々なイベントを実施している。 北京には、日本文化関係で、国際交流基金北京事務所、茶道裏千家と華道池坊の支部、そして「日本音楽情報センター」(最新の日本音楽を中国人に紹介している)といった拠点がある。また剣道愛好会などの有志のグループも活発に活動している。このような日本文化関係者とも協力して、中国各地に出向いてもらい、日本文化紹介を行ってもらっている。またその機会に、様々な日本人の講演、日本語専攻学生による日本語弁論大会なども行っている。学生達も、日本の歌の合唱、日本関連クイズ大会など、手作りの文化行事を行ってくれる。現地大学での準備にあたっては、もし海外青年協力隊の日本語教師がその大学にいれば、彼らから大いに助けてもらっている。 筆者をふくめ日本大使館の館員達で手分けをして出張し、そのようなイベントに参加し、大学幹部と意見交換し、若者との交流を深めるようにしている。 筆者自身も参加する機会があった大学の「日本文化祭」、日本文化紹介イベントとしては、北京市では北京大学、北京外国語大学、語言大学、北京科技大学等、地方では天津外国語大学(天津市)、華中科技大学(湖北省武漢市)、西安外国語大学(陝西省西安市)、湖南大学(湖南省長沙市)、貴州大学(貴州省貴陽市)、青海大学(青海省西寧市)などでの企画がある。
北京や上海などの沿海部では、日本人も多数居住しており、日本文化も、たとえば日本食レストランが数百店もあるといった具合である。北京の大学が集中する中関村では、学生向けの日本食レストランも多数営業している。しかし、内陸部では、日本食レストランも非常に少なく、学生達にとって日本食は非常に珍しい。そこで、大学の日本文化祭では、カレーライスとかおにぎりを作って、日本文化を味わったりしている。 また北京などの大都市では、大学に日本人学生が多数留学している。そこで、中国人学生は日本人と接触する機会がある。しかし内陸部の場合、日本人留学生も少なく、日本語を専攻していても、生きた日本語に接触する機会が殆ど無い場合がある。
●日本との交流・協力を重視している大学の幹部達
このような日本文化紹介行事を行うためには、当然のことながら、大学当局からの許可と協力(時には財政的な支援)が必要であり、時にはその地方の行政府や中国教育部からも支援を得る場合もある。大学は、本来の教育で多忙である。その中で、大学当局が、日本を理解するためには、幅広い文化、社会を理解することが重要との観点から、日本文化祭開催に協力してくれることは、ありがたいことである。筆者が大学を訪問する際には、大学の共産党組織書記、学長、副学長、外国語学部長、日本語学科長といった幹部と懇談することにしているが、おしなべて、日本との協力推進を切望しており、学生達が日本に触れる機会を増やしたいとの強い希望を表明する。姉妹提携校、教員の日本派遣、共同シンポジウム開催、各種団体からの図書寄贈等、様々な日本との協力が実施されている。
中国の大学の学長というと、いかめしい感じを想像するが、意外に気さくでオープン・マインドな人が多い。これまで筆者が付き合って印象に残る何人かの大学の学長を紹介したい。 A学長:40歳前半で、若々しい人物。ヨーロッパの言語学が専門で、ヨーロッパ留学歴も長く、開明的な人物。ヨーロッパ諸国の大使館とも付き合っており、筆者が同大学を訪問した時には、日本大使館からの幹部の初めての訪問ということで大歓迎してくれた。日本との交流も積極的に進めたいとの意向。 B学長:日本の国立K大学の出身。K大学の中国同窓生の集まりでは会長的役割を果たしている。日本留学生のネットワーク強化を進めたいとの意向。 C学長:日本語教育が専門。大学の学生に日本関連情報を積極的に提供し、また日本文化紹介イベント開催に非常に前向き。 D学長:日本研究所を大学に設置したいとして、筆者にすぐにでも客員講師になって欲しいとオファーしてくれた(筆者にはその能力がないので、お断りしたが、良い日本人がいれば紹介してほしいと頼まれた)。 E学長、F学長:共に日本留学経験者。中国の発展のために日本との協力が不可欠との考え。学長就任後、大学に日本語学科を新設してくれた。日本的な仕事のスタイルは、大学内外でも評判が良いようだ。 このように少なからぬ大学の学長達が、中国の学生達に日本語を教える環境を整えてくれ、また日本との様々な交流・協力を発展させたいと真摯に希望している。(つづく)
(本稿中の意見は、筆者の個人的意見であり、筆者の所属する組織の意見を代表するものではない。)
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青海大学中日文化祭開幕式に参加した筆者、大学幹部、大学生達(2006年5月)
西安外国語大学日本文化祭で華道を体験する中国人大学生達(2005年10月)
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