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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2006年05月30日18時02分掲載
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人命救助の米国人夫の急死で妻が強制送還か
米カリフォルニア州サンフランシスコの海岸で5月、離岸流(リップ・カレント)に流された少年2人を救助しようとした男性が、水死した。男性には新婚の妻がいたが、その妻が今、夫の急死でケニアに強制送還される運命に見舞われている。人命救助で夫を失い、悲しみに打ちひしがれている妻にとって、強制送還は二重のショックだ。死亡した男性の遺族たちは、何らかの救済策はないのかと途方に暮れている。(ベリタ通信=江口惇)
水死事故が起きたのは、母の日の今月14日。サンフランシスコ出身の会社員マーリン・コーツさん(29)は、親類の家族と金門橋近くの海岸に遊びに来ていた。海岸一帯は、サンフランシスコ湾から流れ出す海流の影響で、沖に向かって急に流れが強くなる離岸流がしばしば発生する危険地域。
浜辺には遊泳を警告する表示版が立っているが、この日も家族連れや若者、サーファーが多数訪れていた。同日午後5時半ごろ、海にいた二人の少年が離岸流に溺れ、助けを求めた。
海岸にいた人々が一斉に救助に向かう中で、元救助員でコーツさんも、本能的に海に飛び込んだ。誰も水泳のうまいコーツさんに万一のことがあるとは想像していなかった。
間もなく、少年たちは救助されたが、コーツさんは、離岸流にのまれ、水死した。翌日のサンフランシスコ・クロニクル紙は、離岸流の怖さと、人命救助をしようとして死亡したコーツさんの悲劇を報道した。
▼死の4日前に夫が申請書類に署名
しかし、コーツさん一家の悲劇は、これで終わらなかった。生前、夫は妻のジャクリーンさん(26)に対し、米国永住権を与えるための法手続をしている最中だった。
ジャクリーンさんは、ケニアから米国のサンホゼ州立大学に留学していた間、一時的に学生の身分を喪失した期間があり、不法滞在者になっていた。しかし、ことし4月に、コーツさんと結婚したため、永住権を取得することが可能になり、合法的に暮らせるはずだった。
ところが夫が急死。さらに致命的だったのは、夫が永住権申請書類に4日前に署名したばかりで、まだ入管当局には書類を提出していなかったことだ。書類が受理済みなら、ジャクリーンさんが救済される可能性は高かったが、その可能性は遠のいた。
ジャクリーンさんの強制送還を決める移民担当判事による審理はことし8月に始まる。入管当局は、移民判事の判断次第と述べているが、通常のケースの場合、不法滞在者が米国永住を認められる可能性は極めて低い。
ジャクリーンさんは、「生きる望みがない」と涙ながらに窮状を訴えている。二人は2004年に知り合った。2年間の付き合いを経て結婚し、今後の人生設計を話し合っているところだった。
コーツさんの遺族は、溺れた少年を救おうとして死亡した事情が、なんとか考慮されないものかと考えている。また少年たちの家族が、ジャクリーンさんの米国滞在実現に尽力してくれることを期待している。
家族の弁護士は、米連邦議会が、ジャクリーンさんの米国滞在を認める措置を決めれば、救済される可能性があるとも話している。
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