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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2006年06月24日16時54分掲載
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不倫殺人の妻が出版料で大金稼ぐ? 現在終身刑で服役中の身
6年前に、米カリフォルニア州サンディエゴ近郊で金髪の美人妻が、不倫がばれるのを恐れて夫を毒殺するという事件が起きた。妻はインテリの毒理学者。勤務していた検視官事務所から薬物を盗み出して、夫を殺害していた。現在終身刑の判決を受け、女囚刑務所で服役しているが、殺害された夫の遺族は妻に対し多額の損害賠償を請求。その請求の算定の根拠になっているのは、妻が今後本を出版したり、映画化権を売ったりして得る高額の契約料だという。(ベリタ通信=江口惇)
各種報道を総合すると、2000年11月、サンディエゴ近郊のラホーヤのアパートで、バイオ化学会社に働くグレッグ・デビラーズさん(当時25)が、寝室の床に倒れて死んでいるのが発見された。通報したのは、当時22歳だった妻のクリスティン・ロッサム。
夫の体には、深紅のバラの花弁がまかれ、傍らには、ロッサムが不倫をしていた同じ検視官事務所の上司からのラブレターが落ちていた。またロッサムの日記もそばに落ちており、そこにはグレッグとの結婚は失敗だったとのロッサムの告白文が書かれていた。
警察は、現場の状況から当初、夫は、妻の不倫を悲観して自殺したものと判断した。しかし、死亡した夫の遺族が、死因に不審な点があると警察に訴え、その結果、夫の体内から、高濃度の麻酔薬フェンタニルなどが検出された。
フェンタニルは普通には入手できないもので、これが入手できるのは検視官事務所で働き、毒理学者として薬物に詳しい妻だけだった。妻は容疑を否認したが、2002年12月、裁判所から仮釈放の可能性のない終身刑を宣告された。
ロッサムは、大学教授の娘で、子どもの頃にモデルとして活躍したこともある美人。サンディエゴ州立大学で化学を専攻し、優等生として卒業している。しかし、高校時代に覚せい剤に耽ったことがある。
ロッサムは、結婚後2年も経たないうちに、職場の上司と不倫関係に陥った。また夫との関係がこじれる中で、ロッサムは再び覚せい剤を使用するようになった。検察側によると、夫が妻の不倫や、麻薬の使用を知り、これを職場の上層部に報告する動きをみせたため、ロッサムが殺人に及んだとみている。
現場に深紅のバラがまかれていたが、これが当時のハリウッド映画「アメリカン・ビューティー」の一場面と酷似していたため、マスコミからは“アメリカン・ビューティー殺人”として話題を集めた。
このためメディア関係者が、出版や映画化に強い関心を寄せ、ロッサムが出版権などを売れば、250万ドル(約2億8000万円)の収入になるといわれている。
サンディエゴの裁判所の陪審はことし3月、損害賠償請求を起こしていた夫の遺族の要求を認め、ロッサムに対し1億450万ドル(約120億円)の支払いを命じた。このためロッサムは、損害賠償の算定に誤りがあるなどとして再度の審理を請求。
その結果、6月に裁判所は、損害賠償額を10分の1だけ大幅にカットして、1450万ドルの支払いを命じている。
ロッサムは、今のところ、犯行を否認しており、本の執筆にとりかかった形跡はない。犯罪の嫌疑が晴れたら、本を執筆するとも話しており、これが事実ならば、遺族が損害賠償金を実際に入手できることになるのは、かなり先のことになりそうだ。
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