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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2006年06月26日16時03分掲載
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ベッドが不足し屋外で寝る受刑者も 米国加州の刑務所は満杯状態
米カリフォルニア州の刑務所が、定員オーバー目前という深刻な事態に直面している。ある刑務所では、収容者用のベッドが足りず、最近42人が屋外で寝袋にくるまって一夜を明かした。収容者が夜空の星を見上げて寝るという事態は、同州では初めてという。この原因は、収容者の急増だ。同州は、全米の中でも刑務所に舞い戻る者の率が高いとされる。シュワルツネッガー州知事は「刑務所の施設を増やすのが問題解決のカギだ」と話している。(ベリタ通信=有馬洋行)
州内には、33の刑務所があるが、ほとんどが収容者であふれ、過密状態になっている。同州は全米の中でも犯罪者に厳しい対応を取っており、この結果、執行猶予を受けずに、刑務所に収容される者が増えている。
米メディアによると、州内の刑務所にいる者は、現在17万1527人。33の刑務所で最大限に収容できる人数は17万3000人とされる。今年に入って、収容者はこれまでに3600人純増しており、ここ数カ月で最大収容人数に達するのは確実とみられている。文字通り、全米でも最悪のすし詰め刑務所が出現するのは時間の問題だ。
ことし6月、同州チノにある刑務所では、護送されてきた収容者のうち42人が、ベッドがふさがっているため、敷地内の屋外のバスケットボールのコートで寝袋のくるまって寝る羽目になった。
1952年にカリフォルニアを襲った地震で刑務所が壊れ、女性受刑者が数カ月間テントで暮らすということがあったが、ベッドが足りなくなり、外で寝るというのは異常な事態だ。
この刑務所は、受刑者を最終の収容施設に移動させるため一時的な刑務所だが、ベッドが不足している場合、鳥かごに似た金網の中で夜を明かすことも日常化している。
この金網は、一応刑務所内部に設置され、いくつかに区割りされている。しかし、中には硬いベンチがあるだけ。十人以上が一区画ごとに収容されているが、プライバシーはゼロ。夜の間、ゴキブリが床を動き回り、安眠はできない。
ある25歳の受刑者は「人は多いし、暑くて臭いもする。横にもなれないし、風呂にも入れない。まったく非人道的だ」と話す。
屋外で寝た42人は、こうした金網の中で寝るくらいならと、屋外で寝ることを決めたという。
刑務所が満杯になる中で、看守など警備要員の過勤手当なども急増し、年間1700万ドル分の負担を納税者にかけている。
カリフォルニア州の刑務所の中には、かなり昔に設置され、大雨の際に必ず停電が起きるなど、老朽化したものが多い。設備の悪さによる、刑務所内の暴動発生の危険性も常に指摘されている。また最近は、ヒスパニック(中南米系)と黒人の受刑者が、人種上の対立から、刑務所内で衝突する事態も起きている。
シュワルツネッガー州知事は、刑務所施設の増加で、受刑者への劣悪な条件を改善したい意向だが、矯正関係者の中には、受刑者が再犯を犯して再び刑務所に戻ることがないように教育を行うことが先決だと指摘する声がある。
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