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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2006年06月29日12時41分掲載
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鼻の再生手術受け再びイラクへ 米軍により被弾した12歳の少女
バグダッドの上空を米軍ヘリが激しい音を立てて飛んでいた。ジェット戦闘機がそれに続いた。家の外でその様子を目撃していた幼い少女は、米軍の機影に怯えて家の中に飛び込んだ。その時、米軍の放ったミサイルが自宅を直撃、4人の子供を持つ母親は爆死、少女も負傷した。少女は、特に顔面の鼻の部分がそぎとられる重傷を負った。その少女が今、米国のトップレベルの医療チームによって、カリフォルニア州で鼻の再生手術を受け、6月末に戦火のイラクに戻ることになった。(ベリタ通信=有馬洋行)
米メディアによると、少女はマルワ・ナイムさん(12)。バグダッドが陥落した2003年4月9日、マルワさんはバグダッド南東部で被弾し、直ちに近くの病院に運ばれた。顔面の鼻の部分の再生はイラクの病院では無理だった。マルワさんは、入院中に右手の親指の切断手術も受けた。
退院後、学校に通ったが、周囲の子供からは、からかわれた。幼い少女の心はひどく傷ついた。彼女の窮状を救ったのが、イラクに展開している多くの国際人道機関だった。マルワさんの鼻の再生ための支援が開始された。
米カリフォルニア州ロサンゼルスにあるカリフォルア大学ロサンゼルス校(UCLA)の医療センターの医師団が、イラクから送られてきた写真を見て、再生手術の費用約1万2000ドルを無料で引き受けた。
マルワさんは、体の傷とともに、戦火で母親を失うとの悲しみを背負っていた。自宅を爆撃した米軍への恨みも、心の中に深く根を下ろしていたとされる。国際人道機関が、マルワさんの米国行きをアレンジした際も、この問題には触れないように気を配った。
ある人道機関の関係者は、米紙ロサンゼルス・タイムズに対し、マルワさんのように治療を必要としている子供が、イラクやアフガニスタンなど世界中に数万人いると話している。
マルワさんはことし2月米国を訪問した。最初にしたことは英語の勉強だった。鼻の再生手術は計4回行われた。
耳から軟骨を取り、額から取った皮膚で鼻の形を整えるとの手法だった。担当医のティモシー・ミラー博士は、手術自体は難しいものではないと指摘している。
最近、マルワさんは医師団とともに記者会見に臨んだ。報道陣のたくフラッシュに一瞬驚いた様子だったが、間もなく屈託のない様子になった。
「医師の方に感謝している。新しい鼻で以前にようになり、喜んでいる。私が救われたように、世界中にいる同じような子供たちを助けてください」とアラビア語で語った。
鼻はまだはれている状態で、完全な状態になるまでは今後9カ月間かかるという。
ミラー博士は、入院中、深く傷ついていたマルワさんの心が次第に回復してきたことを喜んでいる。しかし、4カ月に及ぶ手術に耐え、元気を取り戻したマルワさんを、再び暴力と流血の続くイラクに戻すことには、不安の念もある。
マルワさんの父親たちがイラクでは待っており、マルワさんを引き止めることはできない。「イラクはマルワさんの故郷だ。われわれは(治安)状況が改善されることを願っている」と、ミラー博士は話している。
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