無謀な行為を前に、国際的包囲網の北朝鮮に対する非難の嵐のなかで、ブッシュ政権の過去を問う、暴露ジャーナリスト、グレッグ・パラストの面目躍如たる短信です。それにしても、今こそ、はた迷惑な思いをしている韓国、中国、ロシアとも連携して、6か国協議の枠組みにおける外交手段で北朝鮮(および米国)を説得しなければならない時のはずですが、日本政府はこの好機を捉えず、額賀防衛庁長官あたりはミサイル防衛構想の推進という軍拡競争路線を声高に唱えるとは……憲法9条を掲げるこの国は、いったいどうなったのでしょう?(TUP速報)
北朝鮮のミサイル: 発射したのは金正日、製造責任はブッシュ・チームに ――グレッグ・パラスト 2006年7月5日
北朝鮮が、アラスカに到達しうる――核弾頭搭載可能――ミサイルを発射したので、ジョージ・ブッシュは激怒し、うろたえている。いやはや、大統領殿、非難すべき相手はご自身を措いていない。
お忘れかもしれないが、貴殿の情報機関のお偉がたたちが、パキスタンの爆弾製造プログラムのボス、A・Q・カーンの調査を控えるように米国諜報員たちに命じたのだ。カーンが核・ミサイルの中枢技術をリビアと北朝鮮に売り渡していた証拠は増える一方だった。
差し止め命令、つまり“撤退”指令の理由は、核分裂性物質の闇市場におけるカーン氏の資金源に対する諜報員たちの追跡の手が、サウジアラビアに届いたことだ。ブッシュ・チームが、サウジのカーンに対する金銭支払いを暴露して、同国に不快な思いをさせたくなかったのが丸見えだ。
われわれは、わが国情報機関トップ・レベルの情報筋、自分たちの目を逸らさせる政治家たちに不満をもつ人物たちからの示唆にもとづき、この件をBBCで2001年11月に伝えている。
[筆者] グレッグ・パラストは、ニューヨーク・タイムズ書評欄ベストセラー “ARMED MADHOUSE: Who’s Afraid of Osama Wolf?, China Floats Bush Sinks, the Scheme to Steal ‘08, No Child’s Behind Left and otherDispatches from the Front Lines of the Class War”《*》の著者。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/0525949682/503-9478468-9545546
http://www.gregpalast.com/ [同書の公式イメージ]
(カーン研究機関による北朝鮮に対する核技術・関連物質売却についての詳細は、BBCテレビ番組「ニュースナイト」および英紙ガーディアンにおけるパラストによる報道の最新改訂版、ARMED MADHOUSE収録“The Khan Job and the ‘Back-Off’ Directive”[「カーンの仕事と“撤退”指令」]を参照のこと)
[原文] North Korea’s Missile: Fired by Kim Jong Il, Built by Team Bush Published by Greg Palast July 5th, 2006 in Articles
http://www.gregpalast.com/north-koreas-missile-fired-by-kim-jong-il-built-by-team-bush C2006 Greg Palast
[翻訳]井上利男 /TUP
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