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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2006年07月28日01時10分掲載
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大手で闊歩する女子大生襲撃犯 被害者が自著で告発
1977年に米オレゴン山中で、名門私大エール大学の女子学生二人が、テントを張って寝ている最中、何者かにピックアップのトラックで襲われた。犯人はその後、持ってきた斧で二人に切りつけ、立ち去った。二人は瀕死の重傷を負ったが、奇跡的に助かった。それから29年。被害者の一人が、忌まわしい事件を自らの手で追跡した本を出版した。本の出版は、米メディアの間で何度も取り上げられているが、この事件の恐ろしさは、犯人とみなされる男が、殺人未遂の時効で依然大手を振って歩いていることだ。(ベリタ通信=江口惇)
各種報道によると、大学に通っていたテリー・ジェンツさんは、女友達のシェイナ・ワイスさんと夏休みを使って、自転車での大陸横断旅行を計画。1977年6月、米西岸のオレゴン州を出発した。その1週間後に事件は起きた。
同州レッドモンドの州立公園内で、二人は小川近くにテントを張った。誰かに見られている感じがしたが、気のせいだと二人は思った。夜、就寝してから1時間半後に、突然テントがトラックに踏み潰された。
テリーさんは、車輪の下で身動きできなくなったが、シェイナさんは辛くも逃げていた。しかし、犯人は車から斧を持ち出し、シャイナさんに何度も切りつけた。頭の傷口が開き、おびただしい血が流れ、意識不明の状態になった。
犯人は今度は車を動かすと、テリーさんにも斧を振るった。前腕の骨近くまで斧が食い込んだ。倒れたテリーの目に映ったのは、カウボーイブーツを履いた男の姿だった。男はその後立ち去った。
テリーさんは、必死の思いで近くにいたキャンパーに助けを求めた。二人とも助かったが、シェイナさんは、頭の傷で、一時失明した。現在は、視力が一部回復している。しかし、二人の関係はこの事件の後、疎遠になった。それから29年。テリーさんは、脚本家として働き、シェイナさんは「ドクター」になっているという。
当時、オレゴン州では、殺人未遂事件の公訴の時効は3年だった。地元では、しばしば問題を起こす町の青年の犯行とうわさされたが、地元警察は捜査に不熱心で、1980年に時効が成立した。
忌まわしい過去にふたをしていたテリーさんは、事件から15年後の1992年、自ら真相解明に乗り出す。現場周辺にも訪れ、関係者から事情を聞き回った。その結果、犯人は、当時17歳の若者であると言い切っている。この経緯を明らかにした本「ストレンジ・ピース・オブ・パラダイス」はことし5月に発売された。
17歳の男性が犯行であることが分かったのは、彼の昔のガールフレンドが、テリーさんの調査に協力したからだという。このガールフレンドは、事件当時、この男性が、トラックのタイヤを交換したことなどを目撃している。また激情しやすい性格で、付き合っていた際、このガールフレンドも殴られ、殺すぞと脅されたことがあるという。
この男性は、家庭内暴力のほか、末期治療を受けている男性から、薬を盗もうとして逮捕されるなど、町では札付きの青年だった。その彼が、なぜ処罰を受けないまま、事件が時効になってしまったのかは、謎のままだ。町の中に、よそ者から身内を守るとの雰囲気があったのかもしれない。
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