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日本語メディアではあまり注目されず、英語メディアでは最近、さかんに引用されている米国のライス国務長官の言葉に“birth pangs of a new Middle East”というのがある。birth pangsとは「産みの苦しみ」「陣痛」という意味。
「新しい中東への産みの苦しみ」とは、米国がイスラエルとヒズボラの戦争をどのように認識しているか、端的に示す言葉だ。
戦争勃発後、中東訪問を前に7月21日、ワシントンで行われた記者会見で使った。
“What we're seeing here, in a sense, is the growing -- the birth pangs of a new Middle East and whatever we do we have to be certain that we're pushing forward to the new Middle East not going back to the old one. ”(われわれがここで目撃しているのは、ある意味で、新しい中東への産みの苦しみ、そういう高まりである。われわれが何をしようと、われわれはこの新しい中東へまい進しており、古い中東に戻っているのではないと確信しなければならない)
米国が即時停戦に否定的な理由を、この言葉以上に表現したものはない。この言葉に、アラブ世界からは、強い反発が出ている。
英紙フィナンシャル・タイムズの中東担当編集長のロウラ・カラフは、7月31日のコラムで次ぎのように述べている。
“Ms Rice might have been simply reiterating US policy. But rarely has a phrase caught as much attention and provoked as much anger from radicals and moderates, who have seen in it a new and more determined American strategy aimed against Arab interests.”(ライス氏は、米国の政策を単に繰り返しただけであったかもしれない。だが、その言葉は過激派からも穏健派からも、まれな注目を引き、怒りを引き起こした。彼らはそれに、アラブの利益に対する米国の新たな、そしてより断固とした戦略を見た)
“Many analysts have made an association with the title of a 1993 book by the Israeli elder statesman, Shimon Peres. In the New Middle East, he argued that Jews and Arabs should develop economic relations to promote peace. It is an attitude, however, that Arabs have long regarded as an Israeli plot to control the Arab world without withdrawing from occupied lands.”(多くのアナリストは、イスラエルの長老政治家、シモン・ペレスが1993年に出した本の題名を連想した。「新しい中東」で彼は、平和の促進のために、ユダヤ人とアラブ人は経済関係を発展させるように主張した。だが、占領地から撤退しないまま、アラブ世界を支配しようとするイスラエルの策略とアラブ人は見なしてきた) (と)
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