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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2006年08月23日01時40分掲載
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時事英語一口メモ
【7】非国家主体と国家内国家
<A href="http://jijieigo.at.webry.info/200804/article_50.html" target="_blank">ブログ版</A>
レバノン紛争に関する英文記事を読んでいるとnonstate actorという言葉がよく出てくる。ヒズボラなどを説明する表現で、非国家主体と訳されるらしい。しかし、日本語の一般記事ではほとんどお目にかからない言葉だ。(鳥居英晴)
サンフランシスコ・クロニクル紙(7月30日)は、こう説明している。
In policy circles, Hezbollah is called a "nonstate actor," a somewhat academic term for radical groups -- al Qaeda perhaps being the best known -- that answer to no central government and that are increasingly roiling the global stage.
「政策集団では、ヒズボラは非国家主体と呼ばれている。ややアカデミックな用語だが、中央政府に従わず、世界をますます混乱させている過激グループーアルカイダが最も知られているーに対して使われる」
ウィキぺディアによると、この言葉は国際関係の用語で、民兵、テロ組織ばかりでなく、NGO、多国籍企業、国際的なメディア、国際的な犯罪組織、麻薬組織が含まれる。グローバリゼーションが進み、国民国家の枠を超える非国家主体の役割が増している。
英紙ガーディアン(7月28日)でDavid Hirstは、イラクなど中東地域でイスラムの非国家主体が 既存の権威の役割を奪ったり、弱体化させている、と次ぎのように述べている。
These non-state actors are found, typically, in the mayhem that is Iraq. They are both Islamist - as adherents of universalist, fundamentalist, political Islam - and sectarian, in the sense that, in their communal loyalties, they are Shias or Sunnis and, as such, apt to engage in intense, and sometimes murderous, conflict with each other. But they are also found in an around that most critical of Middle Eastern arenas, Israel/Palestine, where they have supplanted or undermined the role of existing authorities.
サンフランシスコ・クロニクルは、非国家主体の最新の例がソマリアのイスラム法廷であると指摘する。
The latest example of a nonstate actor sweeping to power is Somalia. There, the Islamist militia of Islamic Courts, a group Washington accuses of having ties with al Qaeda.
nonstate actorという言葉と並んで、ヒズボラを表現するものとしてよく出てくるのが、state within a state(国家内国家)。
From the Middle East to South Asia to the Horn of Africa, the United States and its allies are increasingly forced to deal with such "states within states" that defy central authority, carry out terrorist activities in neighboring countries and threaten to draw outside nations into major regional conflicts. (サンフランシスコ・クロニカル)
「中東から南アジア、アフリカの角まで、米国とその同盟国はますます、そのような”国家内国家”を相手にしなければならなくなっている。それは、中央当局に従わず、隣国でテロ活動を行い、よその国を大きな地域紛争に引き込もうとしている」
イスラエルのオルメルト首相は、ヒズボラとの停戦が成立後の8月14日、国会で、もはや「国家内国家」はなくなった、と次ぎのように演説した。
“And the U.N. Security Council entirely adopted the resolution that recognizes that only Israel and Lebanon are responsible for this area. There is no more state within state.”
しかし、8月16日のニューヨーク・タイムズの「A vacuum in Lebanon, and Hezbollah fills it」という見出しの記事は、レバノンでのイスラエルの爆撃による被害の復興作業で、弱体な中央政府と対照的に、ヒズボラが中心になって活動していることを伝えている。
Hezbollah's strength, said Amal Saad-Ghorayeb, a professor at the Lebanese American University who has written extensively about the organization, derives in large part from what she called "the gross vacuum left by the state." Hezbollah was not a state within a state, she said, but "a state within a nonstate, actually."
「レバノンのアメリカン大学のAmal Saad-Ghorayeb,教授は、ヒズボラの強さは国家により真空地帯として残されたところから、主に出てきている。彼女によれば、ヒズボラは国家内国家ではなく、”非国家内国家”であった」
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