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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2006年08月28日16時23分掲載
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外国国旗の学内展示に神経ぴりぴり 米コロラド州の教師処分は行き過ぎか
米コロラド州で中学校の教室の中に、中国、メキシコ、国連の旗を展示していた地理の若手教師が、一時勤務停止の処分を受けた。校長が、旗を取り除くように指示したのにもかかわらず、無視したのが原因という。なぜ、校長は、一見些細に見えることに目くじらをたてたのだろうか。処分は地元メディアに報道され、世間に広まった。学校側は、コロラド州法(1971年)の規定に沿ったものと説明している。規定では、外国の国旗の展示は、授業に直接関係し、それも短期間の展示でない限り、禁止されているという。(ベリタ通信=苅田保)
コロラドからの報道では、処分を受けたのは、同州ジェファーソン郡にあるカーモディ中学校の地理担当の教師エリック・ハムリンさん。
処分を受けたのは8月23日。しかし、地元メディアが報じた直後の24日、地区教育委員会は、25日から復職を認めると語った。
ハムリンさんの行動にどこか問題があったのだろうか。どうも、ハムリンさんの問題というより、学校側が、外国国旗の学内展示に神経質になっていたのが原因のようだ。
ハムリンさんは、カーモディ中学勤務は今年が最初の年。夏休み明けの21日、授業中に副校長が、教室に現れ、外国の国旗が展示されているのを見つけた。その場で国旗を撤去するよう命じられた。
これに対し、ハムリンさんは、米国の星条旗は、常に教室に展示されていると反発し、撤去を拒否した。23日、有給の休暇を命じられた。実質的な勤務停止処分だった。
コロラド州では2年前にも、別の学校で、似たような問題が起きている。その時は、同州デンバーにある高校の地理を教える教室に、米国国旗に並んでメキシコ国旗が展示されているのが問題視された。
当時、地元のラジオ局は、メキシコ国旗が掲げられたのを恥辱と表現し、「デンバーはメキシコの郊外ではない」と猛反発したことがある。
コロラドはメキシコ系の住民が多い。同州がかつてメキシコ領だった歴史も関係しているようだ。
州法では、外国の国旗の展示は、学校など公共の場以外では、禁止になっている。法律は、米国国旗や州の旗以外の旗を公共の建物に展示するのを禁じ、違反者は罰則を受けるとしている。
許されるのは短期間で、しかも教育上必要な場合だけ。ハムリンさんが処分を受けたのも、この州法のせいだ。
学校側は、ハムリンさんの授業内容は「緯度と経度」であり、外国の国旗とは何ら関連性がないと判断した。これに対し、ハムリンさんは、新学期がスタートした直後は、地理の基礎を学ぶために、外国の国旗を展示するようにしていると話している。
ハムリンさんは、デンバーの高校で起きたメキシコ国旗の展示をめぐる事件が尾を引き、学校側が神経をぴりぴりさせていると指摘している。
地区教育委員会は24日、外国国旗の学内での展示に対する学校側の懸念が十分に伝わったとして、ハムリンさんの授業復帰を認めた。米国の人権保護団体は、ハムリンさんの行動がなぜ法律に抵触したのかといぶかっている。
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