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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2006年08月31日03時06分掲載
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奇跡の生還めぐり証言の疑惑浮上 遭難漁民、実は麻薬密売人?
メキシコから8000キロも離れた南太平洋のマーシャル諸島付近の海上で、漂流中の3人のメキシコ人漁民が8月初め、遭難してから約9カ月後に救出された。奇跡的な生還として、全世界にニュースが流れたが、その後、彼らは漁民ではなく、麻薬の密売人ではなかったのかとの疑問が浮上している。太平洋の海原で、9カ月も生き抜くのは並大抵の神経ではないが、メキシコに彼らの出航記録が残っていないのも、疑いを増幅させている。(ベリタ通信=江口惇)
各種報道によると、救出されたのは、サルバドール・オラドネスさん(37)、ヘスス・ビダナ・ロペスさん(27)、それにルシオ・レンドンさん(27)の3人。
2005年10月28日に、メキシコの小村サンブラスを出航した。目的はサメの捕獲。彼らの話によると、3人は船のオーナーに雇われたという。オーナーの部下を含め、計5人で出発した。
しかし、前線の真っ只中に入り、海は大荒れになった。長さ8メートルの船は燃料が切れ、操船不能になった。海流に乗ってメキシコ沿岸にたどり着くよう、神に祈るしか手立てはなかった。
船は彼らの願いとは裏腹に、外海に向かってどんどん流される結果になった。積んでいた食料や水も最後には途絶えてしまった。
▼2人が餓死、水葬に?
3人は船のエンジン部分にあった部品で、魚を釣るさおを作った。魚を釣り、海鳥も捕まえ、生で食べた。しかしオーナーとその部下は、生肉に拒否反応を示した。口にしては吐いたという。最後に胃から血を吐いた。二人は次第に衰弱し、間隔を置いて二人とも餓死したという。二人の遺体は水葬にふされ、海に投げられた。
水は、雨水を飲んだ。歌を歌ったり、ダンスをしたり、時には聖書を一緒に朗読して元気づけたという。
マーシャル諸島付近で漂流中の8月9日、3人は通りかかった台湾漁船に発見され、9カ月ぶりに暖かい食事をふるまわれた。足にむくみが生じているものの、元気だという。
3人発見のニュースは、当初英雄話として全世界に送られた。しかし、その後、3人の話は矛盾しているのでは、メキシコのメディアから疑問が提起された。
▼出航記録なしに疑問
まず、船が出港した記録が残っていないことだ。また船は、3人だけで出港したとの証言も飛び出した。さらにメキシコの太平洋沿岸地域は、麻薬密売のルートとして知られているため、3人は実は、麻薬密売人ではないかと疑問が浮かび上がった。このほかにも、3人は、餓死した二人を“食べた”のではとのうわさも広がった。
3人は、麻薬密売や、遺体を食べたとの疑惑を一蹴した。しかし、メキシコ政府も、3人の行動に関心を深め、麻薬密売の関連などについて調査する方針を打ち出している。
一方、3人のうちの一人、ビダナ・ロペスさんは、救出後、メキシコの家族に初めて国際電話をした。その際、漂流中に女の赤ん坊が誕生し、既に6カ月になっていることを初めて知ったという。
今後の調査の動き次第で、英雄伝かどうかの真相が明らかになると期待されるが、メキシコでは早くもドラマ化の話も起きている。
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