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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2006年08月31日11時00分掲載
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エジプト人のノーベル文学賞受賞作家が死去
【カイロ30日=吉田智賀子】エジプト人のノーベル文学賞受賞作家でアラブ文学界の文豪革命家、ナギブ・マフフーズ氏が30日未明、エジプトの首都カイロ市内の病院で死去した。94歳。マフフーズ氏はイスラム過激派による暗殺未遂事件で首を刺されて以来、体調が芳しくなかった。
国営放送ナイルテレビなどによると、マフフーズ氏は7月半ば、夜中の散歩中に路上で倒れ、頭部にけがをしたため入院していた。
直接の死因は頭部のけがと老齢のためだが、1994年にイスラム過激派の襲撃により首を数回刺されて以来、体調がすぐれなかった。イスラム過激派による暗殺の標的となったのは、マフフーズ氏による反イスラム原理主義思想が原因。
1953年に出版された小説「カイロ・トリオロジー」では、エジプトの伝統的な生活風景を描く一方、チャールズ・ダーウィンによる進化論を提唱する非宗教的観点から、エジプトの歴史、社会、文明開化を描いた。この小説は1988年にアラブ文学では初のノーベル文学賞を受賞した。
1959年に連載を開始した小説「チルドレン・オブ・ザ・アリー」は、旧約聖書の創世記に記されているアダムとイヴの子供カインとアベル、イスラエルの民族指導者モーセ、メシア(救い主)とされるイエス・キリスト、イスラム教の開祖ムハンマドら預言者や宗教的重要人物が、カイロで一般市民のように生活をするという物語の設定から「神への不敬」と見なされ、各宗教原理主義者などから猛烈な非難を受けた。
この小説はカイロのイスラム最古の最高学府アズハルにより、「イスラム教に対する違背」として、エジプトおよびアラブ諸国で出版禁止となっている。
1911年12月11日にカイロで生まれたマフフーズ氏は、若干17歳で執筆を開始。1939年に処女作小説「ザ・モッキー・オブ・フェイト」を出版し、以降、小説32作品、短編集13冊、そのほか数多くの論説、エッセイ、政治評論、回顧録などを執筆した。
最後の作品となったのは、死後の世界を小説化した「セブン・ヘブン」。2005年に出版された同書についてマフフーズ氏は、「死後の世界で何か良い事が起こりますようにという願いを込めて書いた。魂は常に自分にインスピレーションを与えてくれる最も重要なものだ」と語っていた。
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