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2006年09月11日14時56分掲載
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ネパール情勢
【IPSコラム】武装解除へ国際的圧力増す ネパールのマオイスト クンダ・ディシット
【IPSコラムニスト・サービス=ベリタ通信】ネパールのシャクナゲ革命が専制的なギャネンドラ国王に議会を回復させ、権力を議会政党の連合に引き渡させてから5ヶ月がたつ。それ以来、議会は、暴力や流血を伴うことなく、国家構造の最も劇的な変革のひとつを実現させた。237年の歴史を持つ王制からすべての権力を奪った。国王はもはや国軍に対する支配権を持たない。王の継承は議会の国務委員会で決定される。女性の継承も認められる。国王は税金を支払わなくてはならない。
ネパール国営航空会社から”royal”という名前は外された。もはや「陛下の政府」ではなく、ネパールはもはやヒンズー教の王国ではなく、世俗国家である。実際、ネパールの国王は観光客の呼び物でしかない。政党は、4月の3週間にわたる街頭での非暴力の抗議を通じて、民主主義を回復した。それは、マオイストが10年間に1万4000人の死者を出した反政府活動でなし得なかったものである。
しかし、その運動は国王を排除することはできたが、ネパールは今だ、反政府活動を解決するという大きな課題に直面している。停戦は4月以来、実施されていおり、政府とマオイストの間の交渉は行われている。国連が、和平プロセスと来年の制憲議会選挙前に行われる武装解除を監視するために、招致されている。
この1ヶ月、和平プロセスはマオイストの武器をどうするかの問題で合意に達せず、行き詰まっている。ゲリラは武器を放棄したくない一般の兵士からの圧力を受けている。政府は、マオイストが武器を放棄するまで暫定政権に入れさせないよう米国とインドから圧力を受けている。
この1週間、マオイストは力の誇示として、首都で大集会を開いて政府に圧力をかけようとした。ギリジャ・プラサド・コイララ首相は、武装したままのマオイストは政治主流に入ることは断固として認められないとしている。マオイストの指導者、プラチャンダは最近の党中央委員会の会議後、ジャングルに戻ることはあり得ないと述べた。しかし、政府が武装解除を要求し続けると、街頭での人民蜂起がありうると警告した。
コイララは、行き詰まりを打開するためにプラチャンダと会談する予定である。彼らは多分、会談するであろう。もしそうなると、次の段階は政府とマオイストが、新しい憲法を起草する議会を選ぶための選挙を準備する暫定政府を組むことである。その選挙は、実質的に王制についての国民投票になる。ここ数日のネパールのメディアの見出しから判断すると、選挙戦は既に始まっている。
4月の街頭での怒りからして、教育を受けた都市の若いネパール人の多くは、王制は廃止すべきであると感じている。こうした圧力から、ほとんどの政党はマニフェストを変えて、「民主的共和国」を目指すとした。
マオイストは、政党が共和国を求めるスローガンを彼らから奪い、マオイストが4月の国王の追い落としに功があったのにもかかわらず、政党が手柄を独り占めにしていると感じている。回復された議会に彼らは代表を持っていないため、彼らは議会を解散し、新しい暫定議会を要求している。
ネパールはまだ危機を脱していない。しかし、幸いなことに、紛争は解決困難ではない。それは民族紛争でも分離戦争でもない。双方に現在の和平プロセスを通じて解決するという政治的意思がある。プラチャンダが兵士に武器を置くことを納得させる時間が必要なことをみな認めている。しかし彼は、暫定政府に入る前に武装解除するよう、国際社会から一層の圧力を受けている。その中には、マオイストと政党の間での協定を仲介したインドも含まれる。
先の2回の停戦は、軍とマオイストが再武装と再組織化のために使ったために崩壊した。そのため、ネパール国民は、和平提案に慎重になった。しかし、今回は違うかもしれない。マオイストは、武力で国家権力を握ることはできないことを知っている。
また、議会で優勢を占めるために、政党の足並みの乱れを利用できると確信している。ネパール国軍は、人権侵害の悪名をとどろかせた汚い戦争に身動きが取れなくなってしまった。また、ネパールの険しいジャングルでゲリラを打ち負かすことができないことも知っている。
ネパールが紛争を解決するだけでなく、その原因である社会的不公正も解決して、これを乗り越えることができる絶好の機会である。しかし、それには、すべての政党が和平と安定を確実なものにするために、目先の戦略的利益の先を思い描く必要がある。そうすれば、長く苦しんできたネパールの国民はやっと、経済的前進を期待することができる。
*クンダ・ディシット カトマンズの週刊紙ネパーリ・タイムズの編集長・発行者
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