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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2006年09月25日18時50分掲載
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レイプ犯に間違われ12年間服役 賠償請求でも思わぬ障害
レイプ犯と間違われて12年間刑務所に服役し、ようやく嫌疑が晴れて出所。その後12年間の獄中生活の代償と求めて、警察官らを相手取り損害賠償の訴えを起こしていたが、ここで再びトラブルに直面した。今度の“敵”は、民事裁判の裁判官だった。終始敵対的な態度を示し、簡単に終わると思った裁判は、結局不成立に終わった。しかし、ここで思わぬ救世主が現れ、状況は一変する。(ベリタ通信=江田信一郎)
米メディアによると、間違われた男は、ハーマン・アトキンスさん(40)。1986年、米カリフォルニア州のレイクエルスノーで、靴屋の女性店員(20)がレイプ被害に遭った。女性はリバーサイド郡警察のオフィスで警察から事情を聞かれた。
警察のオフィスには、州内で犯罪を犯し、指名手配中の容疑者の写真が掲示されていた。被害者の女性は、この手配写真に載っていたアトキンスさんを犯人だと指差した。この結果、アトキンスアンには、88年に禁固43年の有罪判決を受ける羽目になった。
しかし、DNA鑑定で無罪とわかり、2000年に12年ぶりに釈放された。出所後、賠償を求め民事裁判に連邦地裁に訴えた。ところが担当のパーシー・アンダーソン判事は、黒人のアトキンスさんに反感を持っているような対応を見せた。
この結果、賠償を求める民事裁判は結局、9月に陪審団の意見が分裂し、審理不成立に終わり、アトキンスさん側を失望させた。ところが、この直後、高裁が、弁護側の主張を聞き入れ、アンダーソン判事を「公正さに問題がある」として、審理から排除する決定を下した。これにより、改めて新しい判事の下で、審理が行われる見通しになった。
12年獄中で暮らしたことへの賠償を得るだけの話なので、簡単に民事訴訟に勝つと思ったが、その思惑は狂った。しかし、次の審理は迅速かつ公正に行われ、早めに決着がつきそうだ。
▼目撃証言だけを重視した捜査官
アトキンスさんは、当時別のトラブルで警官に発砲し、逃走していた。レイプ被害者の女性が、犯人だと指差した後、捜査官は、この証言だけを頼りに、無理矢理、その他の証拠をでっち上げ、アトキンスさんをレイプ犯に仕立て上げていった。
捜査官が作成した報告書では、現場近くでアトキンスさんを目撃したとの証言も盛り込まれていたが、その証言をしたとされる人物は、その後アトキンスさんとは会ったこともないと話している。
刑務所は凶悪犯が入る厳重な警備の場所だった。犯してもいない事件で投獄されるの地獄の苦しみだった。3回自殺も試みた。絶望感に何度も襲われたという。
そうした生活を救ったのは、獄中から無実を叫ぶ受刑者を支援している法律家集団「イノセント・プロジェクト」の協力のお蔭だった。
同プロジェクトの関係者は、アンダーソン判事の下で、民事訴訟が審理不成立に終わった後、間違って12年間も投獄された人物にとっては、更なる悲劇だと批判していた。
アトキンスさんは現在結婚し、カリフォルニア州北部のフエスノに住んでいる。大学院で心理学を学んでいるという。
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