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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2006年10月17日13時19分掲載
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ギャングの抗争で3歳の少女が巻き添え死 犯人は2人とも逮捕
米カリフォルニア州ロサンゼルス近郊ではアフリカ系米国人(黒人)とラティーノ(中南米系)の縄張り争いが活発化している中、この争いに巻き込まれたラティーノの3歳の少女が、9月末に銃で撃たれ死亡するという事件が起きた。両人種の対立は1990年代初めごろから次第にエスカレートしているが、3歳の子を犠牲になるのは稀だ。殺害した犯人は17歳の若者。事件の後、逃亡していたが、今月10日、同州のサンベルナルディノ郡に潜伏しているところを警察や米連邦捜査局(FBI)によって拘束された。(ベリタ通信=江田信一郎)
黒人とラティーノとの関係は、ラティーノがロサンゼルスなど都会に移動するにつれ、次第に表面化してきた。黒人は従来自分たちが就いていた仕事が賃金の安いラティーノたちに奪われていくにつれ、不満を感じ始めた。
米メディアによると、ロサンゼルス郊外のボールドウィン・ビレッジは、二つの人種が激しく人種的対立を引き起こしている地域という。ここで、ことし9月24日に3歳の少女が銃の犠牲になった。
同日午後、ラティーノのセサル・アビラさん(24)は、日曜日を利用して子ども二人を連れてファーストフード店で食事をした後、車でアパートに戻ってきた。すると、運転係のラロン・ラリモアと一緒に待機していたじジョナサン・バンクス(17)が銃を持って車から飛び出し、アビラさんに銃弾を浴びせた。
バンクスはその後、アビラさんの娘のカイトリンちゃん(3つ)の胸に銃弾を一発撃ちこみ逃走した。現場には姉のカッシーちゃん(6つ)もいたが、カッシーちゃんにけがはなかった。アビラさんは瀕死の重傷を負ったが、一命を取り留めた。
ボールドウィン・ビレッジ周辺では、黒人のギャング組織「ブラック・P・ストーンズ」とラティーノのギャング組織「18ストリート」が対立抗争を続けていた。アビラさんは、ガラス関係の仕事をしており、ギャングとはまったく関係がなかった。
▼ギャングの「掟」に背く
このためロサンゼルス市警(LAPD)は、ラティーノのアビラさんをバンクスが間違って標的にした可能性があるとみている。しかし、娘のカイトリンちゃんを至近距離から射殺したのは、冷血非道で、ギャング団でも普通は行わない行為だと批判した。
カイトリンちゃん殺害は地域社会にショックを与えた。小さな子どもを託児所に預けているある母親は、銃弾がどこから飛んでくるのはわからないので怖いと話す。バンクスについては、あんなに小さな命を奪って、なんとも思わないのかと非難した。
運転係のラリモアは10月6日に逮捕された。LAPDは同月8日、記者会見を行い、アビラさんも出席して、バンクスに対し、警察に出頭するよう呼びかけた。この結果、有力情報が寄せられ、バンクス逮捕につながった。
アビラさんはバンクスの逮捕について「娘は帰ってこないが、バンクスが捕まったことで、同じような犠牲者が出なくなったのは幸いだ」と話している。
一方、地域住民は、犯人二人が逮捕されたことを喜ぶとともに、黒人とラティーノの人種的対立が沈静化し、平和な街に戻ることを期待したいと述べていた。
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