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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2006年11月01日14時16分掲載
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米国の賞金稼ぎ男が苦境に リアリティーTV番組の人気者
米国の西部劇では、留置場から脱獄した犯人を追いかけて捕まえ、賞金稼ぎをするガンマンの話がしばしば登場した。現在でも、この「バウンティ・ハンター」と呼ばれる賞金稼ぎは活躍している。米テレビ・ネットワークの「A&E」が提供している「賞金稼ぎドッグ」は、実在するバウンティ・ハンターが登場する番組だが、これに出演しているデュアン・チャップマンさん(53)が、メキシコで捕まえた米国人逃亡犯の拘束をめぐり誘拐罪に問われ、苦境に立たされている。(ベリタ通信=江田信一郎)
デュアンさんは2003年6月、デートした多数の女性に即効性のある睡眠薬、いわゆる「デート・レイプ・ドラッグ」を飲ませ暴行し、その模様をビデオに撮っていた米大手化粧品メーカーの御曹司アンドリュー・ラスターを、逃走中のメキシコで捕まえた。ラスターはレイプ裁判の途中の同年1月、保釈中の立場を利用して姿を消していた。
デュアンさんには、息子のレランドさん、相棒のティムさん、それにテレビクルーが同行していた。ラスターがナイトクラブから出てきたところを捕まえたため、騒ぎが大きくなり、メキシコ警察が出動する事態になった。
▼メキシコでは誘拐罪
メキシコでは、「バウンティ・ハンター」という者は存在せず、勝手に人を捕まえれば誘拐罪に相当する。メキシコ警察は、ラスターの引き渡しを要求したが、これを拒んだため、デュアンさんたちが今度は逮捕された。
間もなく保釈金をつみ、釈放されたが、デュアンさんたちは、メキシコでの裁判所の審問が始まる前に、米国に逃げ帰ってしまった。この結果、デュアンさんら3人は、メキシコ側からみれば、逃走犯になった。
デュアンさんたちはことし9月、メキシコ政府の依頼を受けた米捜査官によって居住しているハワイで逮捕された。その後保釈になったが、送還問題をめぐりメキシコの裁判所に出廷する必要に迫られた。
仮にメキシコで有罪になれば最高で6カ月の禁固刑に処される。このため9月には、共和党議員29人が署名嘆願書をライス米国務長官に送り、デュアンさんたちのメキシコ送還を拒否するよう協力を要請した。
この影響からか、メキシコの裁判所は10月、デュアンさんたちの事件に関する審理を、更なる証拠が集まるまで一時的に差し止める決定を下した。
この決定にデュアンさんたちは、一様にほっとした表情だ。メキシコ内では、デュアンさんが雇った地元弁護士も動いているという。デュアンさんの米国の弁護士は、メキシコの裁判所が、速やかに嫌疑をすべて退ける決定を下すことを期待していると述べた。
TV番組「賞金稼ぎドッグ」は米国で人気を呼んでいる「A&E」のリアリティーTVの一つ。一種の台本のないドキュメンタリーで、逃亡犯を追い詰めるデュアンさんたちの姿をカメラが追っている。
刑事事件の容疑者や裁判の被告は、一般的に保釈金を払わなければ、拘置所から釈放されない。このため保釈金の保証人になる専門業者が米国に存在している。しかし、保釈中に逃走すると、業者が困るため、専門に容疑者を追いかける民間の賞金稼ぎが活躍している。
一方、ラスターは結局、メキシコ政府から米国に送還された。ちなみにラスターは逃亡している最中に、欠席裁判の形で禁固124年の刑が確定しており、現在は服役中。
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