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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2006年11月14日00時45分掲載
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ガソリン価格低下は共和党勝利への陰謀? 過半数は信じず
11月7日に投票された米議会中間選挙戦の最中に、米国でささやかれていたのが、ガソリン価格をめぐる陰謀話だ。夏に高騰した価格が、選挙戦終盤にかけて急落した。このため、この急落は、共和党のブッシュ大統領が、共和党議員を勝たせるために、意図的に価格を低めに誘導したのでは、との話が広がった。ブッシュ一族は、最大の原油産出国サウジアラビアの王室と極めて近い関係にあるとされるだけに、陰謀話を信じる米国民は意外と多い。だが、世論調査結果では、過半数が信じていなかった。 (ベリタ通信=江田信一郎)
米紙デンバー・ポストによると、コロラド州では8月にガソリン価格は1ガロン(約3・8リットル)=3・08ドルの高値を記録した。しかし、選挙戦が終盤を迎えた11月2日には、同2・25ドルと、83セントも急落した。
夏場から秋にかけた時期は毎年、石油の需要量が減り、価格が下がることが多い。例年なら夏場の高値に比べ、価格は10セント程度低下するという。今回の83セントの低下は、それに比べるとかなり大幅なものだ。
カリフォルニア州ロングビーチでも、7月半ばにガソリン価格が同3・50ドル前後にまで高騰したが、11月3日には、1ドル程度値下がりし、陰謀話に勢いをつける結果になった。
陰謀話の根拠は第一に、ブッシュ一族がサウジアラビア王室との親密な関係に端を発している。ブッシュ大統領の父親(元大統領)も付き合いがあり、ブッシュ大統領が王室に頼み込めば、原油生産量を高めに維持し、価格を下げることも可能だという見方だ。
第二には、これまで事あるごとに巨額の利益を上げてきた大手石油会社が、共和党を勝たせるために、自らの利益幅を圧縮して、小売価格を低めに設定しているとの説。
第三は、ブッシュ政権が、ガソリン価格を下げ、選挙戦でのマイナスの争点にならないように、国家石油備蓄を密かに取り崩しているとのもの。
このほかにも、様々な陰謀話が指摘されているが、米紙ロサンゼルス・タイムズによると、10月のギャラップ世論調査では、50%以上が「信じていない」と答えている。しかし、それでも42%が、ブッシュ大統領が、共和党の勝利を導くために、何らかの操作を加えたと疑っている。
エコノミストや金融アナリストらは、陰謀話を根拠がないと一蹴している。原油価格の低下と、季節的な需要の落ち込みなど市場の動きを反映したものだと説明している。
チェイニー副大統領は遊説先のインディアナ州で、「我々はガソリン価格をコントロールしていない。そうみる人もいるようだが、違う。需給関係で、原油価格が値下がりし、その結果、ガソリン価格も低下したものだ」と話している。
陰謀話が浮上する背景には、石油会社への米市民の根強い不信感がある。昨年8月にニューオーリンズなどを襲ったハリケーンで、メキシコ湾の石油精製施設が被害を受けた後、全米各地でガソリン価格が急上昇した。この結果、石油会社は巨額の利益を挙げることになり、国民のひんしゅくを買ったのは記憶に新しい。
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