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2006年11月18日21時11分掲載
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テロ支持がインドネシアで大幅に低下 米国への好感度も低迷 米国調査機関の調査
【クアラルンプール18日=和田等】米国の独立系世論調査機関ピュー・リサーチ・センター(本部・ワシントン)が実施した調査で、世界最大のイスラム教国インドネシアにおけるテロに対する支持が大幅に下がっていることがわかった。2002年の調査では、インドネシア人の25%以上がイスラム教の敵からイスラム教を守るために自爆テロやほかの形態の暴力を行使することを正当化できると回答したが、今年初めの調査では10%だけ。71%の人が民間人に対するテロ、暴力行為に拒絶反応を示した。
シンガポールの英字紙ストレーツ・タイムズがワシントン支局電として、同センターが17日に発表した報告書の内容を報じた。
それによると、インドネシア人の国際テロ組織アルカイダの指導者、オサマ・ビンラディンに対する支持率も大きく下がっている。02年には回答者の60%近くがオサマ・ビンラディンのイデオロギーを信じていると答えたが、現在では33%にまで下がっている。
テロへの支持が大幅に下がった一因として、同センターは202人が死亡した2002年のバリ島での自爆テロをはじめとする一連のテロを挙げている。03年には首都ジャカルタのJWマリオット・ホテル、04年にはジャカルタのオーストラリア大使館、そして05年にはバリ島で2回目の爆弾テロが相次いだ。
インドネシア軍テロ対策部門の幹部であるアンシャアド・ムバイ少将は、一連のイスラム過激派の摘発によって約300人が逮捕され、アルカイダと連携しているとされる東南アジアの過激派組織ジェマー・イスラミア(JI)がそれぞれ横の連絡のない細胞に分裂したことで過激なイデオロギーを広げることが困難になったとの見方を示している。
アンシャアド少将は「爆弾テロによってJIや他の過激派組織はインドネシアのイスラム教徒の間での信頼感をかなり失った。またオサマ・ビンラディンをかつてイスラム教徒の戦士および保護者として称賛していたインドネシア人は、オサマやその支持者に対してかなり懐疑的になっている」とも語った。
同センターは米国のイメージについての調査も実施したが、過去数年間に「劇的な変動があった」と指摘している。
ほかの多くのイスラム教徒社会と同じように、インドネシアでも03年の米国によるイラク侵攻の後、米国に対する敵意が急激に増大し、米国に好感を抱くと回答した人は02年の61%から03年には15%へと大幅に低下した。しかし、04年12月のインド洋大津波の後に米国が津波被災者の支援を実施したことで米国のイメージは改善、好感を抱く人の率は38%に上がった。
同センターは「津波被災者が必要としている支援を提供するという寛大な行為が、最終的に最大のイスラム教徒国インドネシアでの米国の人気を取り戻す一助を担った」と分析している。だが06年の調査では米国に好感を抱く人の率は再び30%に下がった。
また、20日にインドネシア訪問を予定しているブッシュ米大統領は、依然として不人気ぶりを示している。同大統領が世界の情勢の中で正しいことをしていると信じていると回答した人は03年に8%だけで、05年には20%に上がったものの、06年も20%にととどまっている。
それでも、06年の調査対象となったイスラム社会(英国、フランス、ドイツ、スペインのイスラム教徒)の中ではインドネシアがブッシュ大統領に対する支持率が最も高いという興味深い結果も出ている。
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