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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2006年11月25日10時08分掲載
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日中・広報文化交流最前線
ロンドン五輪めざし中国が空手普及に本腰 井出敬二(在中国日本大使館広報文化センター長)
●第1回空手道審判員研修セミナー
11月18日、筆者は、北京市内で開催された第1回中国全国空手道審判員研修セミナーの開会式に参加する機会があった。このセミナーは、11月18日〜25日、北京体育大学にて行われた。主催者は国家体育総局傘下の中国空手道協会であり、スポーツエリートが通う北京体育大学が共催者となっている。100名近い中国人空手関係者が北京及び地方から集まり、日本の空手の指導者から審判の技術を学んだ。中国の全国規模で開催された初の空手審判員セミナーである。 中国は未だ国際的な空手大会にナショナル・チームを派遣したことは無いが、選手育成に力を入れ始めている。今回、審判員も育てるというのは、空手の国際大会参戦に向けて中国体育総局が空手普及に本腰を入れてきたことを意味する。
中国空手道協会は、本年5月に組織され、既に事実上の活動を開始している。正式には、中国政府関係当局からの組織設立の認可を得る必要があり、既に国家体育総局の認可は得ており、現在民生部の認可が下りるのを待っている。(中国においては、法人格を得るためには、民生部の認可を得る必要がある。少なくとも手続きには8ヶ月はかかるそうである。法人格が無いと、銀行口座開設・資金管理などができず、対外交流活動にも大きな支障がある)
なぜこの協会が発足したのか?それは、2012年のロンドン五輪で空手が五輪正式種目になる可能性を念頭に置いているからだそうである。テコンドーは五輪種目になっているが、では世界的に普及している空手が何故五輪種目ではないのかという疑問を持っているのは、日本人だけではない。中国も、空手が五輪種目になる可能性があると考え、国家体育総局の傘下に中国空手道協会を創立し、空手選手育成に乗り出したわけである。 空手は既にアジア大会の正式種目であるが、2012年のロンドン五輪で正式種目に加わるかもしれない。新種目候補としては、空手は世界的な支持が最も集まっている由である(スカッシュも有力候補)。空手を五輪種目に加えることについては、中国からの支持も期待できそうである。
●空手道精神の中国への普及を期待
中国空手道協会の幹部達(常建平会長、事務局王旭輝氏ら)が筆者に以下を教えてくれた。 ─2007年夏にも、第1回全中国空手道選手権を中国国内で開催したい。 ─優秀な選手を選抜し、2008年秋の日本での世界空手道選手権大会に、中国から初めての代表団を派遣したい。 ─上海では既に10以上もの空手の道場がある。 ─全中国で10万人程度が空手を学んでいる。しかしテコンドーはそれよりも多く、100万人程度が学んでいる。
このセミナーの開催場所となった北京体育大学の池建副学長は、次のことを教えてくれた。 ─北京体育大学は中国随一の体育大学。中国全国には16の体育大学があるが、中国語で「・・体育大学」という名称は「北京体育大学」のみであり、他は「・・体育学院」という名前である。中国語で「大学」は総合大学(ユニバーシティー)、「学院」は単科大学(カレッジ)を意味する。 ─アテネ五輪には、28名の同大学学生・学院生を選手として派遣。学生達が獲得したメダルは、金4個、銀3個、銅2個。(これは本科生のみの数字であり、大学の聴講生などの学生を含めれば更に多い。) ─外国からの留学生(長期滞在)は約200名おり、日本人留学生も約30名いる。日本人は中国武術などを勉強している。短期留学の学生はもっと多い。 ─現在、北京体育大学ではテコンドーを教えているが、将来空手も教える可能性を検討中である。
日本からいらっしゃった審判指導の専門家には、筆者から、ぜひ空手道を通じて、精神面の教育も中国の空手道関係者にして欲しいとお願いした。今回のセミナーで100名もの将来の審判員達が、空手道の精神を学ぶことは、中国国内における日本の正統的な空手道の普及に大きな意義がある。日本からの指導者達も、空手は人格形成のためのものと話してくれた。中国における空手道精神の伝播にとり、今回の審判員セミナーは歴史的・画期的な事業と言えるだろう。(つづく)
(本稿中の意見は、筆者の個人的意見であり、筆者の所属する組織の意見を代表するものではない。)
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転載について
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第1回中国全国空手道審判員セミナーのポスター(2006年11月)
第1回中国全国空手道審判員研修セミナーに参加した中国人空手関係者達(2006年11月)





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