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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2007年01月21日03時10分掲載
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メキシコのティフアナで麻薬摘発強化 連邦軍・警官が市内に展開
米カリフォルニア州と陸続きになっているメキシコ国境にあるティフアナ市で、市内の浄化作戦が進んでいる。同市には麻薬カルテルが暗躍し、最大の需要国である米国に麻薬を送り込んでいるため、2006年12月に就任したメキシコのカルデロン大統領が、ティフアナに連邦政府の軍や警官を派遣し、麻薬取り締まりを強化している。しかし、麻薬組織は、連邦軍などはいずれ引き揚げるとみて、当面は嵐の過ぎ去るのを待つ構えのようだ。(ベリタ通信=江田信一郎)
メキシコでは年間1500人が麻薬に絡んで殺害されている。前任のフォックス大統領も麻薬対策と治安の回復を優先的に取り組んだが、効果を挙げられずに終わった。カルデロン新大統領は、大統領選挙の混乱で、政権基盤は安定していない。このためタフな大統領を印象づけるためか、就任早々、麻薬対策を重点に掲げ、自らの出身地でもあり、麻薬組織が暗躍するミチョアカン州に連邦軍や警官を派遣、浄化作戦を実施した。
その後、カルデロン大統領は、米政府が摘発を要望しているティフアナに、“ティフアナ作戦”と命名して、3000人の連邦軍、警官を派遣した。ティフアナでは2006年300人が殺害され、治安は悪化している。
メキシコでは、警官の給料が安いため、給料の穴埋めに麻薬組織から賄賂を受け取るものが目立つ。地方の末端の警官にとっては、生活上の必要悪との見方もある。カルデロン大統領は、連邦部隊を派遣した直後、ティフアナの地元警察が、殺人事件に関与している疑いがあるとして、銃器の一斉“刀狩り”を実施し、犯行に使われた形跡がないかを調査した。
ティフアナでは80年代に出現した麻薬カルテル「アレジャノ・フェリック・ファミリー」が長年活動を続けてきた。米国の麻薬犯罪取締局は、麻薬がティフアナからカリフォルニア州サンディエゴを通じて、国内に流入しているとみて、長年ファミリーの摘発に取り組んできた。
2006年8月には、メキシコのバハカリフォルニア州沖の海域で、船釣りをしていたファミリーのボス、フランシスコ・ハビエル・アレジャノ・フェリックス(37)を米沿岸警備隊が逮捕している。逮捕した場所は、国際海域の可能性が高く、かなり強引な逮捕劇とみられている。
フランシスコ・ハビエルは麻薬密売のほか、ティフアナの警察副本部長を殺害したほか、2002年から05年にかけて5人を誘拐した疑いが持たれている。「アレジャノ・フェリック・ファミリー」は現在、ティフアナでは影響力が低下しているといわれるが、その空白を縫って、新興の麻薬組織が入り込み、抗争も激化している。
しかし、麻薬組織らは、カルデロン大統領が連邦軍を派遣した後、ほとんど目立つ行動をしていない。過去にも、メキシコ大統領が連邦軍などを派遣したものの、長期的な駐留が不可能なため、一定期間が過ぎ、中央に帰った後に、麻薬組織が再び戻ってくるという現象が起きている。このため今回のカルデロン大統領の作戦が実質的な効果を上げるかどうか疑問視する声もある。
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