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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2007年01月22日17時04分掲載
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日中・広報文化交流最前線
中国の高校生の意識 日韓米との共同調査 井出敬二(在中国日本大使館広報文化センター長)
2006年度から外務省予算で中国の高校生を年1200人程度訪日招待するプログラムが開始された。筆者は、訪日する高校生達に講演をしたり、レセプションで話すことにしている。中国の高校生の意識がどのようなものかという点は、筆者にとっても非常に関心のあるところである。昨年12月28日、興味深い調査(日中韓米4カ国高校生意識調査)の結果が発表されたので紹介したい。 これは中国青少年研究センター、日本青少年研究所、韓国青少年開発院、米国の調査会社が共同で実施したものであり、4カ国計156校の高校生7304人に対して、約1年間かけて調査したものである。中国では北京、上海、広州、四川、陝西、黒竜江など3240人の高校生が対象となった。(本稿は、China Daily記事、中国国際放送と朝鮮日報のウェブ・サイトなどの報道を基にしている。)
●国家の重大事への関心が高い中国
中国の高校生の回答が目立っている例としては以下がある。
─「国家の重大事について関心を持っているか?→持っている」=中国73.7%、日本・韓国ともに45.9%、米国45.4%。 ─「あなたにとって最大の問題は何か?→それは学業」=韓国84%、中国78%、日・米ともに約5割 ─「友達と一緒に楽しんでいるか?→楽しんでいる」=米93.1%、韓国77.5%、日本60.6%、中国5割以下 ─「お父さんと一緒にいて楽しいか?→楽しい」=米68%、韓国65%、日本64%、中国59% ─「お母さんと一緒にいて楽しいか?→楽しい」=韓国91%、日本90%、米国76%、中国68% ─「お父さんはあなたの教育に熱心か?→熱心」=米国61.4%(最高)、日本・韓国(データ不明)、中国55.8%(最低) ─「お母さんはあなたの教育に熱心か?→熱心」=日本85.9%(最高)、米国・韓国(データ不明)、中国67.4%(最低) ─「お父さんはあなたによく話しかけてくれるか?→話しかけてくれる」=日本53%(最高)、中国44%、韓国・米国(データ不明) ─「お母さんはあなたによく話しかけてくれるか?→話しかけてくれる」=日本93%(最高)、中国(74%)、韓国・米国(データ不明)
●子供の教育に対する両親の熱心さは?
中国青少年研究センターの関係者のコメントが、各報道で引用されているので、そのまま下記の通り引用したい。
─「今の高校生は殆どが一人っ子であり、両親と一緒に過ごす時間は比較的長いと言えるが、そのことは、一緒に過ごす時間を楽しんでいるということを意味しない。」 ─「中国の両親は、学校の成績と良い大学に進められるかどうかを気にし過ぎる。」 ─「『子供の教育に対する熱心さ』というのは、(この調査の場合、)両親が日常生活の中で子供の教育に参加する割合を子の立場から判定したものだ。日韓米の3カ国の両親は、子供の教育の中で民主制を重んじ、子供の遊びにも付き合い、積極的に会話をしたりする。これに対し、中国の両親はいつも仕事や個人的な事務が忙しく、子供をおろそかにしているため、中国の高校生から見た両親の教育に対する熱心さが他の3カ国よりも低くなっていると思われる。」 ─「中国では伝統的に学業成績を重視してきたが、もっと重要なことは、学校そして社会での競争が激しいことである。」
また中国人高校生のインタビューも報道で引用されている。 ─「両親は成績のことばかり言っている。成績がちょっと下がっただけでも、その原因を探し出そうとする。両親がもっとリラックスしてくれれば、私も家でリラックスできるのだけれど・・・。」
●厳しさを増す中国の受験・就職競争
中国の高校生が厳しい競争とプレッシャーの下にいるというのは事実であろう。中国では経済格差が広がっており、「勝ち組」になるためには、大学卒業は必要不可欠の条件と見なされている。 大学卒業生人数は、05年338万人、06年413万人、07年は495万人と見込まれている。中国の高校から大学に進学する率は5割程度であり、同じ18歳の人口から言えば僅か2割程度である。実際にはもっと多数の大学進学希望者がいるようだが、厳しい受験競争の下で、大学に入れない者も多い。
大学を卒業しても就職は厳しい。中国側統計では、大学新卒者就職率は7割台と言われている。中国の大学生は、ブルーカラーの仕事よりもホワイトカラーの仕事を好むが、えり好みできない状況のようだ。日本語専攻学生の就職は概して非常に良いのだが、それでも北京の某一流大学の日本語学部長が教えてくれたところでは、最近は就職が厳しいので、「ひどい場合」には、北京でも初任給(月給)で2千元(=約3万円)程度で我慢しないといけない例もある由である。(つづく)
(本稿中の意見は、筆者の個人的意見であり、筆者の所属する組織の意見を代表するものではない。)
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