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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2007年03月06日00時56分掲載
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中東
戦禍のイラクで子供450万人の栄養状態危険レベルに 避難民への食料供給は限界
【バクダッド5日=IRIN】学校や住居周辺への爆撃に加え、専門家らは「イラクの子供たちの栄養状態は非常に危険なレベルに達している」と指摘している。貧困と治安の悪化がその原因であることはいうまでもない。無差別爆破テロなど限りのない暴力行為の連鎖が多くの人々に強制退去、避難を強いており、救援に当たる非政府組織(NGO)などによる食料供給が避難民らに十分に行き届かないのが現状だ。
戦闘激化でバクダッド市内から近郊へ避難した3人の幼子を抱える母親は「毎月のように当局に住居移転を強制されている。子供に十分な食料を与える金がなく、子供らは栄養失調でいつも病気だ。4人の子供のうち1人は3ヶ月前に死んだ」と訴えた。
国連児童基金(ユニセフ)によると、5歳以下の子供10人に1人が体重減少に苦しみ、5人に1人が身長の伸びに障害が出ている。これは全国で450万人の子供が栄養失調に陥っていることを意味する。
「これらは氷山の一角だ」と警告するのは、アンマンに設けられているユニセフ・イラク支援センターのクレア・ハジャジ氏。「“隠された飢餓”に追い詰められている子供がたくさんいるはずだ。発育に不可欠なビタミン、ミネラル類の欠乏で身体的、知的な発達が妨げられている。これらの欠乏は計測できないが、子供の罹患率を上げ、学習効率を低下させている」と語った。
同氏によると、生後2年間の適正な食料摂取、とりわけ誕生後6ヶ月は母乳の摂取が非常に重要である。イラクの母乳摂取率は中東地域の他の国に比べると著しく低く、数年前の調査ではわずか12%だった。
▼ 下痢と肺炎
「栄養失調によって下痢や肺炎のような疾患へのリスクが高まっている。下痢は安全な飲料水や基本的な衛生状態の欠如で起こることはいうまでもなく、問題はイラク全国の居住地で状況が悪化していることだ」とハジャジ氏は強調。その上で、「まずなさねばならないことは妊娠中の母親のケア―だ。これが子供を栄養失調から守る第一歩」と語気を強めた。
国連難民高等弁務官事務所などのスタッフらは「治安の悪化で多くの医療機関が閉鎖に追い込まれ、開いている病院やクリニックでも医薬品、医師など専門家が不足している。子供たちはワクチン注射など基本的な予防対策から疎遠になっている。イラク国民は適正な医療への道を閉ざされてしまった」と話している。
バクダッド小児教育病院のマイスン・アデルラーマン医師は「イラクの医療は崩壊している。まともに稼動していたのはユニセフや世界保健機関(WHO)だけだった。下痢や栄養失調といった比較的軽い疾患で死亡する子供がたくさんいる」と語った。
ユニセフによると、イラクの貧しい南部諸州や地方僻地では元々、栄養摂取状態は国内平均の3分の1と最悪だった。戦闘が激化しているこの地域は以前にも増してより深刻な貧困に苦しんでいる。
3月5日掲載 (翻訳 加治康男)
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