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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2007年03月21日15時03分掲載
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「落書き」急増に悩むデンバー市 年間の消去費用は1億円以上
米国の中規模の都市が建物の壁などのペンキを使った「グラフィティ(落書き)」に悩まされている。消しても、また描かれるといういたちごっこで、費用も馬鹿にならないからだ。落書きは、街のギャング団が、勢力範囲を誇示するために、行なっているとの見方もあり、治安上の悪化を懸念する声もある。米コロラド州デンバー市では、落書きを消すために、年間100万ドル(約1億2000万円)を費やしているという。(ベリタ通信=江口惇)
落書きが多い代表格と知られるのは、米国では人口が集中している大都会だ。ニューヨーク(810万人)、ロサンゼルス(384万人)、シカゴ(284万人)などは、落書きが多い。しかし、最近はデンバー市のような人口56万人の中都市でも、落書きが目立っている。
デンバー市が、2006年に落書きのあった壁などから、ペンキを消した総面積は27万平方メートルに達している。05年に比べると、落書きのあった面積は23%も大幅に上昇している。同市では、公共の建物であれ、民間の建物であれ、通報を受ければ、職員が落書きの消去作業を行なっているが、費用は馬鹿にならない。
人手でも必要になり、5人の専門スタッフが、消去用のスプレーなどを使って作業をしている。費用は年間100万ドルにもなっている。
落書きは深夜に行なわれているようだ。手口はペンキスプレーなどを使い、壁に絵を描いたり、時には卑猥な言葉も書かれることがある。街のギャング団が組織の名前を交通標示板などに書き、縄張りを主張することはよく知られている。
デンバー市では、落書きの急増に対処するため06年10月に、“グラフィティ・サミット”を開催し、市当局者や自称グラフィティ画家、被害を受けた建物の所有者らが出席し、対策を話し合ったほどだ。
落書きが増えると、周辺の住宅の値段も下がるといわれている。落書きは、街のギャングが進出してきた結果とみなされ、治安が悪化している証拠と思われるからだ。落書きは放置していると、すぐに広がっていく傾向があるため、直ちに消去する必要があるが、すべてを短期間に終えるのは困難だ。
デンバー市では、急増する落書きに手を焼き、諮問委員会が、現在、無料で行なっている落書きの消去作業を、建物の所有者が行なうことを検討している。同時に、街のギャング団のリーダーを検挙し、消去費用を請求すべきだとの案も浮上している。
同市では3月に入り、天候が落ち着いてきたために、落書きが再び急増。米紙ロッキー・マウテン・ニュースによると、地元警察は、最近落書き行為をしていた8人を逮捕した。うち一人は35歳の郵便局員だった。この局員は警察に対し、上司に通報しないでほしいと懇願したという。
都市の落書きは、米国のみならず、欧州の都市でも問題になっているが、あまり有効な対策はないようだ。オハイオ州のケント市では最近、高校の壁や床、ロッカーに卑猥な言葉や、黒人を中傷する落書きが残されていた。犯人は不明だが、人種や民族の違いをあげつらうような落書きを懸念する関係者は多い。
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