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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2007年03月31日02時14分掲載
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イスラム教徒のレジ係が豚製品の扱い拒否 店に抗議が殺到
イスラム教の世界では、豚は不浄の動物となっており、イスラム教徒は触ったり、食べたりすることを拒否する。しかし、イスラム教徒が異文化の世界で生活するようになると、これが思わぬ文化的衝突を生む。米ミネソタ州で最近、大手小売チェーンで働くイスラム教徒のキャッシャーが、客が購入しようとした豚の食材を扱うことを拒否するケースがあった。これを新聞報道で知った市民からチェーン店に抗議が殺到し、チェーン店は配置換えなどの対策に追われる事態になっている。(ベリタ通信=江田信一郎)
ミネアポリスに住む女性(53)は約2週間前に仕事の後、小売チェーン「ターゲット」を訪れた。ミルク、パン、それにベーコンなどを買うのが目的だった。キャッシャーに行くとレジ係は、頭にかぶるスカーフ「ヒジャブ」をつけたイスラム教徒の女性だった。
早めに買い物を済ませようと思っていたが、レジ係の女性は、ベーコンを手にして、バーコードを読むためにスキャンにかけることを拒否した。代わりに客のこの女性に、スキャンをかけさせた。レジ係はこの後、ベーコンに触らないように、買い物袋を広げ、この中にベーコンを入れさせた。ベーコンは、米国では豚を使ったものや、七面鳥の肉で作ったものが売られている。
女性客は「なぜこうした人がレジ係をしているのか」との疑問がわいたという。この出来事は3月中旬に、地元紙ミネソタ・スター・トリビューンの一面に掲載された。これが大きな反響を呼び、同新聞社のウエブサイトには、400を超える意見が寄せられた。一部の投稿者は、「ターゲット」のボイコットを呼びかけた。「ターゲット」自体にも抗議が殺到した。
「ターゲット」は、この事態を受け、イスラム教徒のレジ係全員に対し、手袋をはめて仕事をするか、あるいは店内の別の部署へ移るかどうかを提案した。「ターゲット」では、イスラム教徒の宗教上の権利と、顧客からの要求をバランスさせた措置だとしている。レジ係は、「ターゲット」では入社したばかりの店員が行なう仕事だという。
ミネアポリスと双子都市のセントポール周辺には、アフリカの角とよばれるソマリアからの難民が集中している。彼らは政治的迫害を逃れてきたイスラム教徒たちで、米国で新たな生活に乗り出している。しかし、イスラム教の聖典コーランが、豚を食べることを禁じているため、今回のような摩擦が起きる結果になっている。
同州のソマリア出身者たちからは、「ターゲット」の対応について、「過剰反応だ」との声も上がっている。店内で食材として売られる豚製品の数は、限られており、必要な場合は、別のレジ係に応援を求めれば解決できる問題だとしている。
2006年にはミネアポリス・セントポール国際空港で、ソマリア出身のタクシー運転手が、アルコール類を手にしていた客の乗車を拒否し、大きな話題になったことがある。
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