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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2007年06月09日11時21分掲載
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日中・広報文化交流最前線
日中「シルバー」交流への期待 井出敬二(在中国日本大使館広報文化センター長)
今、青年交流は日中交流の重要な柱であるが、ではシルバー世代の交流はどうであろうか。中国は急速な人口老齢化が進行しており、将来は老人大国になると見込まれている。
北京日本人会は、北京在住の日本人達がつくっている組織であり、いくつかの委員会を作って活動を展開されているが、「婦人委員会」では、北京市内の敬老院をボランティアで訪問し、交流をされている。この活動は、2005年から始まったもので、毎月一回訪問しているということである。戸外活動ができる季節には、敬老院近くの景山公園や北海公園を一緒に散歩し、寒い時期は、院内で歌を歌ったりゲームをしたりしているそうである。中国のお年寄りは、毎回笑顔で、日本人達を暖かく迎えてくれるそうである。この素晴らしい活動は、最近、北京の人気新聞「北京青年報」「新京報」で相次いで報道された(2007年3月)。
●老齢化対策が大きな課題に
2006年12月12日に、国務院新聞弁公室は、『中国老齢事業の発展』白書という文書を発表した。全国老齢工作委員会弁公室の李本公・常務副主任が説明をしているが、12月13日付中国各紙(「人民日報」「新京報」「China Daily」等)を参照しながら、中国における人口老齢化を紹介したい。
中国における60歳以上の人口の現状と見通し=2004年1.43億人(人口全体に占める比率は約11%)(1982年は僅か約5%であった);その後、老人人口は年約3%の割合で増加することが見込まれる。2014年2億人;2020年2.48億人(約17%);2026年3億人;2037年4億人;2051年4.37億人(約31%)。これは世界の老人の5分の1に当たる由。 つまり、現在は10人に一人が老人だが、今の中国の高校生が老人になる44年後には、三人に一人が老人ということである。
現在、1.43億人の老人の約5%、つまり約700万人は、施設(中国語では「社会福利院」「敬老院」「養老院」と呼ばれる)に住みたいと希望している。しかし、現在の中国ではこれらの施設は、全国で39546しかなく、ベッド数も149万7千しかない。中国政府は、今後4年間で、農村部220万、都市部80万のベッドを増やすとしている。
中国の現在の平均寿命は72歳。 2005年で、中国で基礎的な養老保険に加入している人口は、1.75億人。内、4367万人が既に引退した人達。しかし何百万人もが養老保険に加入していない。特に農民の加入者は5400万人と少なく、福祉面での保護を受けていない。 現在の中国で80歳以上の人口は、約1600万人。その多くが、近くに子供が住んでいる訳でもない。 今後20年間が、人口老齢化に対応するための鍵となる時期である。老齢年金、健康保険、医療保険などの分野で大きな課題に直面している。
●日本のシルバー世代も積極的に中国で活動
中国の各地の大学を訪問すると、よく日本のシルバー世代の人達が、日本語教師として活動されているのにお目にかかる。人生の経験があり、教育に熱情を持って取り組んでいらっしゃる日本人のこれらの教師は、各地で信頼を集めている。 今後日中両国でシルバー世代の人口比率が高まり、かつお金、体力、時間的余裕のある人が増えれば、「シルバー交流」も重要な交流の一分野になっていくであろう。特に草の根レベルで「シルバー交流」が盛んになることを期待したい。このような交流が、日中の相互理解増進に大きな貢献をしてくれることを期待したい。(つづく)
(本稿中の意見は、筆者の個人的意見であり、筆者の所属する組織の意見を代表するものではない。)
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