軍政下のビルマ(ミャンマー)で燃料価格の大幅値上げに抗議して今月19日に始まった市民デモは、多くの逮捕者を出しながらその後も首都ヤンゴンを中心に続いている。デモの模様を伝えるビデオや写真が、日本の「ビルマ情報ネットワーク」や在日ビルマ人の民主化支援組織のサイトで紹介されている。軍政の平和的なデモへの弾圧に対して欧米の政府やNGOはあいついで抗議声明を発表、日本でも「ビルマ市民フォーラム」が24日、日本政府が明確な意思を表明し,事態の早期改善を軍政に促すことを求める声明を外務省に送った。超党派の国会議員でつくる「ミャンマーの民主化を支援する議員連盟」(会長・大島理森衆院議員)も、軍政の対応に強い懸念を表明するとともに、日本政府に対して事態の改善と拘束した人々の即時釈放をビルマ政府に求めるよう要請する声明を準備している。(ベリタ通信)
ビルマ情報ネットワーク(BurmaInfo)に掲載されたデモの映像と写真、その解説記事、各国政府やNGOの声明は下記URLで。 http://www.burmainfo.org/politics/88GSG_200708.html
国民民主連盟(解放地域)日本支部のサイトにも多くの関連写真や記事が掲載されている。 http://homepage3.nifty.com/htunktt/
【ビルマ市民フォーラム 緊急声明】 「平和的な市民デモに対する弾圧と活動家逮捕に抗議する
ビルマ市民フォーラムは,今般のビルマ政府による学生リーダー・市民に対する身柄拘束等の弾圧・抑圧行為に対して強く抗議するとともに,拘束した人々を直ちに釈放するよう強く要請する。
2007年8月15日,ビルマ軍事政権(SPDC)は燃料価格・日用品価格を大幅に引き上げることを表明した。8月17日夜,民主化運動団体「88年学生運動グループ」は国民が直面している社会経済的な苦境を打開するよう求める声明文を発表し,翌日以降「88年学生運動グループ」や市民数百人が抗議行動を行った。それに対して21日以降現在もなお,SPDCはミンコーナインら抗議行動に参加した人々を逮捕・拘束し続けている。
今回の事態は,SPDCの施策によって国民が直面している苦境の表面化であった。そして,その国民の行動に対してとったSPDCの行動は,国際社会からの批判にも関わらず,同国の軍事政権の強硬で内向きの統治姿勢には一向に変化の兆しが見られないことの証でもある。ビルマ市民フォーラムは,SPDCに対し,ビルマ国民の声に真摯に耳を傾け,対話による事態の改善に取り組むよう強く要請する。
また,ビルマ市民フォーラムはこのようなビルマの事態を深く憂慮し,日本政府に対して以下の通りビルマ(ミャンマー)政府に対し,毅然と積極的働きかけをおこなうよう強く要請する。
1. 今回の平和的抗議行動を行ったビルマの人々に対する軍政の一連の措置に対し,日本政府として明確な意思を表明し,事態の早期改善を促すこと。
2. 国際社会がビルマの軍事政権に対し,厳しい態度を示そうとしている中,日本が曖昧な態度をとり続けることは,日本の役割に期待を寄せるビルマ国民,ビルマの民主化を支援する日本の人々,さらには広く民主と自由を希求するアジアの人々を失望させることになることを十分に認識し,民主国家としてこうした期待を裏切らない前向きな対応をとることを要請する。
ビルマ市民フォーラム 代 表 永井 浩 事務局長 渡辺 彰悟 ------------------------------------------------------- ビルマ市民フォーラムは1996年12月に結成された市民団体で、ビルマ(ミャンマー)における人権の確立と民主化の推進を目標に、国内在住のビルマ人(難民および難民申請者を数多く含む)、ならびにこの問題に関心を有する多くの日本人と共に、さまざまな活動を続けています。
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