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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2007年11月10日11時29分掲載
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山は泣いている
8・山に恩返しをしたい 広がる山男たちの森林ボランティア活動 山川陽一
最近の日本山岳会は山に登るだけの集まりではない。熱心に森づくりのボランティア活動に取り組んでいる。いつも山から恩恵を受けるだけでなく、少しは山に恩返しができればという気持ちが山男たちの心を動かすのだろうか。一日山に入って仲間と一緒にいい汗を流したあと、少しばかり自分も社会貢献できたという充実感に浸りながら飲むビールの味は格別である。
▽スギの人工林から広葉樹の森へ
青森県鯵ヶ沢に流れ出る赤石川源流の櫛石平は、世界自然遺産白神山地の指定ゾーンの入り口に当たる。ここは、かつて県下でも有数なブナの原生林だったのだが、今は全面スギの植林地に変わってしまっている。日本山岳会の青森支部が、地元の高校、大学や自然保護団体にも参加を呼びかけて、ここで「白神山地ブナ林再生事業」を始めてもう9年がたった。もともとがブナ帯であるから、不要なスギを取り除いてやることによって下層の実生が生気を取り戻し、ブナを中心とした広葉樹の森へ誘導できる。
東京では、裏高尾の小下沢(こげさわ)国有林178ヘクタールを国から解放してもらい、「高尾の森づくりの会」を始めて7年になる。いまや毎月1回の定例作業日に集まる参加者は100名近くにのぼり、年間延べ2千人のボランティアがこの山に入る。今はこのフィールドの80%以上がスギ・ヒノキの人工林であるが、ここを50年かけて50対50〇の針広混交林に誘導する長期計画を持っている。
東海支部でも2004年に「猿投(さなげ)の森づくりの会」を立ち上げ、愛知万博会場近くにある県有林をフィールドに本格的な活動を始めた。自然の遷移に任せておけば、この地方の気候条件から、最終的にシイ・カシ類の暗い照葉樹の森に変わってしまうのを、適度に伐採してやることによって、明るく豊かな広葉樹の森に留めようというコンセプトを持った活動である。
岐阜支部でも地元の小津権現山で県民の森の活動に手を貸して、森の整備や道づくりなどでリーダー的役割を果たしている。
こんなわたしたちの活動は、森林ボランティア活動と言っても、コスト的にやっていけなくなった林業従事者の仕事を肩代わりするのが主たる目的ではない。もちろん、林業の手助け的要素がまったくないわけではないが、所詮は楽しみ半分の素人集団、生産性をあげることよりも、安全で楽しくやることが第一義である。プロの世界とは大違いで、たいしたことはできない。それよりも、わたしたちが共通してめざしているものは、山の自然環境の保全である。
2001年(平成13年)の森林基本法の改定は、従来の生産林中心の森の考え方を転換して、水源涵養や国土の自然環境保全、地球温暖化の防止、国民のレクレーションや教育の場の提供など、森の持つ多面的機能に立脚したものに大転換した。その結果、ボランティア活動がにわかに脚光を浴びることになったのだが、国はボランティアに何を期待するのかをもっとはっきりさせる必要があるだろう。 ボランティアの側もなまじ林業まがいのことをしようと思うと怪我をする。ボランティアに期待できるものは、生産的機能より環境保全や教育的機能が中心であり、その面でこそ大きな力が発揮できると考えている。
日本は国土の67%が森林に覆われ、世界でも有数の森林王国でありながら、自ら持てる資源に手をつけずに需要の80%を輸入外材に依存するという特異な構造になっている。かつて50万人を数えた林業従事者は、木材輸入の自由化を契機に減り続けて、今や7、8万人と言われる。一握りの山持ちだけしかまともな経営ができていない日本の林業の現状は、一国の産業構造として異常である。生産林としての森の機能をどう活性化していくかは、依然として大きな国家的課題として国自身に残っている。
(やまかわ よういち=日本山岳会理事・自然保護委員会担当)
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