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2008年10月24日21時04分掲載
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ビルマ民主化
スーチーさんの自宅軟禁、13年間に 女性の政治犯は2年間で3倍増の178人に
ビルマ(ミャンマー)の民主化運動指導者アウンサンスーチーさんの自宅軟禁が、10月24日で計13年間となった。同日北京で開幕したアジア欧州会議(ASEM)の首脳会議で、欧州側はあらためて彼女の即時解放を求める予定だが、軍政がこれに応じる可能性はない。ビルマの民主化運動を支援する国際NGO、ALTSEAN(本部・タイ)によると、同国の女性政治犯はスーチーさん以外に今月現在で178人。この2年間で3倍以上も増え、獄中で非人道的な扱いを受けているという。(永井浩)
スーチーさんの自宅軟禁は現在が3回目。最初は、1990年の総選挙にむけて国民民主連盟(NLD)書記長として精力的な遊説活動を展開していた89年7月に国家防御法違反で逮捕された。彼女は英国からの「ビルマ独立の父」アウンサン将軍の娘として、民主化闘争は「第二の独立運動」であると国民に訴え圧倒的な人気を得ていた。このため、同党の勝利を恐れる軍政は彼女の政治活動の封じ込めを狙った。
党指導者の不在にもかかわらず総選挙の結果はNLDが議席の8割以上を占める圧勝となったが、軍政は民意を無視して権力の座に居座りつづけ、民主化運動への締め付けを強化した。スーチーさんは、その非暴力に徹した闘いを評価されて91年のノーベル平和賞を受賞するが、自宅軟禁中のためノルウェーでの受賞式には英国にいる英国人の夫と息子が代理で出席した。
1995年7月に6年間の自宅軟禁から解放された彼女は、軍政に対して民主化に向けての対話を求めるとともに、徐々に政治活動を再開する。しかし軍政は対話を拒否、2000年9月に再び彼女を自宅軟禁とした。2度目の軟禁は02年5月までつづいた。
03年5月、NLDの党員や支持者らとサガイン管区のディペインを遊説していたスーチーさん一行は、軍政の翼賛組織の暴漢らの襲撃を受け多数の死傷者がでた。「ディペインの虐殺」と民主勢力が呼ぶこの事件のあと、彼女は三度目の自宅軟禁とされ現在に至っている。
この間、国際社会はスーチーさんをはじめ1300人といわれる政治犯の即時無条件釈放をくりかえし軍政に要求してきた。しかし、軍政は釈放をかたくなに拒否しつづけている。国連安保理は07年、スーチー解放や人権状況の改善を軍政に求める米英提案の決議案を採択したが、軍政との経済的な関係が深い中国とロシアが拒否権を行使し否決された。国連はその後も事務総長特使を何度かビルマに派遣して、軍政とスーチーさんとの対話回復の努力を重ねているが成果はあがっていない。
国家防御法の最高刑期は5年とされており、スーチーさんは今年5月でその刑期が切れることになっていた。ところが軍政は同月、軟禁をさらに一年延長することを通告した。またサイクロン被災で国民が困窮する状況のなかで、軍の権限維持と彼女の国家指導者からの排除をめざす新憲法案の国民投票を強行、成立させた。
スーチーさんの弁護士は10月10日、彼女が国家防御法に定められた「国家の安全への脅威」にはあたらないとして、軍政に軟禁への異議申し立てを行ったが、これが受理されるかどうかはわからない。
こうした民主化運動指導者に対する強硬姿勢と平行して、軍政のほかの活動家らへの弾圧も一段とはげしくなってきている。欧州連合(EU)の欧州議会は同23日、昨年9月の僧侶らを中心とした反軍政デモ以降、政治犯はこれまでの1300人から2000人に増えたことを明らかにした。
なかでも目立つのが、女性政治犯の増加だ。ALTSEANの同22日の発表によると、2006年8月には53人だったのが今年10月現在で178人となった。
昨年の反政府運動中に157人の女性が拘束され、そのなかには尼僧10人も含まれていた。19人の女性が行方不明となった。80歳のポンナミ尼僧は卒中で身体が一部麻痺しているにもかかわらず、逮捕され、「仏教に反する行為」をしたとして還俗させられた。
ビルマの刑務所はさまざま面できわめて劣悪な状況なうえ、拷問や虐待、強制労働などの人権侵害が横行していることが受刑者の数々の証言で明らかにされている。このため国際赤十字委員会(ICRC)が刑務所の視察を行ったことがあるが、2005年12月以降は軍政に認められていない。ALTSEANの報告は、とくに獄中の女性政治犯について性的暴力などの危険を指摘している。
今回のASEM首脳会議の主要議題は金融危機への対応だが、会合に先立ち欧州議会は23日、EU各国の首脳に対してビルマの全政治犯の釈放を軍政に要求する共同アピールをだすように求めた。ただ、欧州議会が同日、すぐれた人権活動家に贈る「サハロフ賞」の今年の受賞者に中国人人権活動家胡佳氏を選んだことに、中国政府は内政干渉と強く反発しており、ASEMでもビルマ問題解決への進展は依然として望めそうにない。
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