27日の各紙はスポーツ紙も含め、26日に渋谷駅前に集まり麻生首相邸を見学しようと呼びかけたグループが、無届デモを行い、警備の警官に蹴りを入れたとして3人が逮捕されたと報じた。それに対して、この行動に参加したグループのひとつフリーター全般労組は「これらの報道は警察による虚偽の情報にもとづいたものです」と同労組のメルマガ(10月28日付け)で訴え、このときの参加者や警察の行動を映像で発表した。以下は、メディアに現れない当事者の声と現場の映像である。YouTubeの映像では、興奮した私服の公安刑事が警官隊を大声で指示しているさまが、顔丸出しで映っているのがけっこうおもしろい。(ベリタ編集部)
まず、一般メディアの報道から見ていく。
スポニチ27日号ー 同区宇田川町の路上で、風船や麻生首相を模した人形を掲げるなどして無届けでデモを行った疑い。他の2人は、条例違反の逮捕を防ごうとして警察官を蹴るなどした疑い。イベントには約50人が参加。
次いで朝日新聞27日号ー 「麻生首相宅見に行こう」 ネットで募り無届けデモ容疑 麻生太郎首相宅を見に行こうなどとネットで呼び掛け、無届けの集会やデモをしたなどとして、警視庁は26日、男3人を都公安条例違反や公務執行妨害などの疑いで現行犯逮捕した、と発表した。(中略) 公安部によると、1人の男は同日午後3時50分ごろ、事前に警察署に届けを出さず、渋谷駅ハチ公口の広場で集会し、デモをした疑いがある。同庁は主催者の1人とみている。また、ほかの2人は、この男の逮捕を阻止しようとして警察官に抵抗し、暴れるなどした疑いがある。 集会やデモは、労組などでつくる実行委員会が開く「反戦と抵抗の祭」の企画。同日夕、約40人で渋谷駅から渋谷区の麻生首相宅へ向けて行進していた。
こうした報道に対し、実際の行動に参加した当事者からは以下のような声が上がっている。
《フリーター労組メールマガジン【2008年10月臨時号3】》
午後3時、渋谷駅ハチ公前に集まった50人の前にあらわれた渋谷警察署警備課は、麻生邸の規制区域に近づいたら「5名ずつならば通す」旨を向こうから連絡してきました。私たちはそれを踏まえた上で平穏に歩いていました。そして、その直後のことです。道玄坂下に私たちがさしかかろうとしていた瞬間、警視庁公安部及び渋谷警察署警備課は、突如参加者の中へ突入し、3人の仲間を無理矢理羽交い締めにし、路上に組み伏せ、連れ去っていきました。
逮捕された3名には、公安条例違反や公務執行妨害といった「罪状」がならべられていますが、昨夜からすでに一部流されている報道は、警察による虚偽の情報にもとづいたものです。まず、警察はこの移動を「デモ行進」であるとは一度も宣言していませんし、中止の勧告=「再三の警告」もありませんでした。そしてもちろん、参加者が「警察官を殴るなどした」「暴行を加えた」などという事実もいっさいありません。これらは、現場で撮影されている複数のビデオ映像からも明らかです。
私たちは、道理に対しここまでの非道理を重ね、仲間を逮捕し拘禁し、事実を完全にねじ曲げた虚偽宣伝を行う警察に、厳然と抗議し、3人の仲間をすぐに返すことを要求します。 そして、このような無法警備に守られている62億円の豪邸の持ち主が、私たちの問題にきっちりと応えることを要求します。
2008年10月27日 フリーター全般労働組合執行委員会
以下はそのときの映像や記者会見の模様。
http://asoudetekoiq.blog8.fc2.com/
ユーチューブ(YouTube)でも見ることができる。
http://jp.youtube.com/watch?v=3Uw701vV15U
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