・読者登録
・団体購読のご案内
・「編集委員会会員」を募集
橋本勝21世紀風刺絵日記
記事スタイル
・コラム
・みる・よむ・きく
・インタビュー
・解説
・こぼれ話
特集
・国際
・農と食
・教育
・文化
・アジア
・入管
・中国
・市民活動
・米国
・欧州
・みる・よむ・きく
・核・原子力
・検証・メディア
・反戦・平和
・外国人労働者
・司法
・国際
・イスラエル/パレスチナ
・市民活動告知板
・人権/反差別/司法
・沖縄/日米安保
・難民
・医療/健康
・環境
・中東
提携・契約メディア
・AIニュース
・司法
・マニラ新聞
・TUP速報
・じゃかるた新聞
・Agence Global
・Japan Focus
・Foreign Policy In Focus
・星日報
Time Line
・2024年11月22日
・2024年11月21日
・2024年11月20日
・2024年11月18日
・2024年11月17日
・2024年11月16日
・2024年11月15日
・2024年11月14日
・2024年11月13日
・2024年11月12日
|
|
2009年04月03日16時26分掲載
無料記事
印刷用
時事英語一口メモ
【番外】ロケットをミサイルと言い換えて報じる日本のマスメディア
米CNNは1日、米軍高官の話として、北朝鮮が長距離ロケット(rocket)への燃料注入を開始したと報じた。これを転電した日本の主要マスメディアはすべて、「ロケット」という表現をわざわざ「ミサイル」と言い換えて報じた。北朝鮮が人工衛星の打ち上げと主張しているものについて、CNNをはじめ主要英文メディアはrocketと表現しているものが多い。日本のマスメディアがミサイルであると断定的に報じているのは異様である。(鳥居英晴)
CNNの報道は次のようになっている。
North Korea has begun fueling its long-range rocket, according to a senior U.S. military official. A satellite image shows a rocket sitting on its launch pad in the northeast of the country.
The fueling signals that the country could be in the final stages of what North Korea has said will be the launch of a satellite into space as early as this weekend, the senior U.S. military official said Wednesday.
CNN日本語版は、これを次のように翻訳している。
北朝鮮は、「人工衛星」名目で近く打ち上げるロケットへの燃料注入を開始した。米軍上級幹部が1日明らかにした。早ければ今週末と予想されているロケット打ち上げは、準備の最終段階に入った可能性が浮上している。
この報道を日本のメディアは、次のように報じている。
米CNNテレビは1日、米軍高官の話として、北朝鮮が咸鏡北道花台郡舞水端里(ハムギョンプクドファデグンムスダンリ)の ミサイル発射基地で、「人工衛星打ち上げ」と称して発射台に設置した長距離弾道ミサイルに燃料注入を開始したと報じた。(毎日)
米CNNテレビは1日、米軍高官の話として、北朝鮮が舞水端里(ムスダンリ)のミサイル基地で発射準備を進める長距離弾道ミサイル「テポドン2」に燃料注入を始めた、と報じた。(朝日)
北朝鮮が「衛星打ち上げ」名目に長距離弾道ミサイル発射を準備している問題で、米CNNテレビは1日、米軍高官が明らかにしたところとして、舞水端里の発射施設でミサイルへの燃料注入が始まったと報じた。(読売)
米CNNテレビは1日夕(日本時間2日朝)、米軍高官の話として、北朝鮮が北東部・舞水端里(ムスダンリ)発射基地 で、長距離弾道ミサイルとみられる物体に、燃料の注入を開始したと報じた。(日経)
米CNNテレビによると、米軍高官は一日、北朝鮮が長距離弾道ミサイルの燃料注入作業を開始したことを明らかにし、発射準備が最終段階を迎えたとの認識を示した。 (東京)
北朝鮮が4日にも「人工衛星」の打ち上げとして、長距離弾道ミサイルの発射に踏み切る構えを見せるなか、アメリカのCNNテレビは、アメリカ軍幹部の話として、発射準備の最終段階にあたるミサイルへの燃料の注入が始まったと伝えました。(NHK)
米CNNテレビは1日、米軍高官の話として、北朝鮮が東部・舞水端里のミサイル発射場で、長距離弾道ミサイルの燃料注入作業を開始したと報じた。発射準備が最終段階を迎えたことを意味する。(時事)
米CNNテレビは1日、米軍高官の話として、北朝鮮が「人工衛星打ち上げ」として準備を進めている長距離弾道ミサイルに燃料の注入 が始まったと報じた。(共同)
一方、外国通信社の日本語サービスは、これを次のように報じている。
米CNNテレビは1日、匿名の米軍高官の話として、北朝鮮が「人工衛星の打ち上げ」として発射準備を進めるロケットに燃料の注入を始めたと報じた。(AFP)
北朝鮮は4月4─8日に打ち上げを予定している長距離ロケットの燃料注入を開始した。米CNNが2日、伝えた。(ロイター)
北朝鮮が発射準備中の長距離ロケットに燃料注入を始めたと、米CNNテレビが1日、軍当局者の話として報じた。(聯合ニュース)
ウエブスターはrocketについて、a rocket-propelled bomb, missile, projectile, or vehicleとしおり、ミサイルなどを含む飛翔体としている。missileについては、an object (as a weapon) thrown or projected usu. so as to strike something at a distanceとして、遠くにあるものを攻撃する兵器であるとしている。
日本政府自体がミサイルであるとは断定していない。3月27日に政府が発表したのは「北朝鮮飛翔体発射事案に関する対応」である。飛翔体という言葉を共同通信の英文サービスはprojectileにしている。また、日本の国会が3月31日に採択した決議は、「北朝鮮による飛翔体発射に対して自制を求める決議」であった。
ミサイルという言葉は使わず、ロケットという表現をしている、しんぶん赤旗(4月1日)は、決議採択にいたるいきさつを次のように伝えている。
日本共産党のこくた恵二国対委員長は、北朝鮮に自制を求めることには賛成だとの考えを表明。しかし、ロケット発射を弾道ミサイル計画に関連するものと断定し、「国連安保理決議に明白に違反する」との解釈にはくみし得ないとして、その文言の削除を要求。あわせて「断固たる抗議」という記述についても削除を求めました。社民党と国民新党の代表も「国連安保理決議に明白に違反する」という記述を削除するよう求めました。 野党側が与党とも折衝した結果、「国連安保理決議に明白に違反する」という記述は削除されました。「断固たる抗議」の記述が残ったため、共同提案者とはなりませんでしたが、北朝鮮に自制を求める内容であり、日本共産党は決議には賛成しました。
国際標準の英文ニュースでは、メディア自身が判断を下すことはしない。韓国の聯合ニュース(Yonhap News)も、日本語ではミサイルという表現をしている共同通信も英文ニュースではrocketという言葉を使っている。
Japan is getting itself ready for an impending rocket launch by North Korea in anticipation that the country will go ahead with the launch as planned, the top Japanese government spokesman said Friday.(共同通信4月3日)
AP通信(4月2日)のように、それぞれの立場を説明する。
North Korea says the rocket to be launched between April 4 and 8 will carry a satellite into space but the United States, South Korea and Japan have warned that any launch - whether of a satellite or a long-range missile - would violate a United Nations Security Council Resolution prohibiting Pyongyang from ballistic activity, and could draw sanctions.
(北朝鮮は4月4日から8日の間に打ち上げられるロケットは人工衛星を搭載すると主張しているが、米国、韓国、日本は人工衛星であろうと長距離ミサイルであろうと、発射は北朝鮮に弾道活動を禁じた国連安保理の決議に違反し、制裁を招くと警告している)
朝鮮中央通信(3月24日)によると、北朝鮮外務省は次のように反論している。
However, they claim that it is necessary for the UN Security Council to take issue with the above-said matter, asserting that the DPRK's satellite launch poses a threat to them because the technology used for the rocket for carrying the satellite is not distinguishable from that involved in a long-range missile.
(彼らは衛星運搬ロケットと長距離ミサイルの技術が区別されないことから、われわれが衛星を発射すれば自分たちへの脅威になるという論理を主張し、国連安全保障理事会で問題視すべきだと騒いでいる)
The above-said assertion made by those countries is just the same far-fetched assertion that both kitchen knives and bayonets should be targets of disarmament as both are similar to each other.
(衛星発射技術が長距離ミサイル技術と区別できないからといって、国連安保理で取り扱われるべきだというのは、テーブルナイフも銃剣と同じ点があるから軍縮の対象にすべきだという強引な主張も同然である)
National Public Radio(3月24日)のMike Shusterは次のように言う。
Experts in rocketry say there are significant differences between a space launch vehicle and a long-range missile. Their trajectories are quite different, and that makes for different stresses on the rocket.
(ロケットの専門家によると、宇宙発射運搬物と長距離ミサイルの間には大きな違いがある。軌道が非常に異なる。そのためロケットに異なるストレスがかかる)
With its assortment of sensors in space and radars in Japan, Alaska and at sea, the United States will know within the first minute whether the North Koreans really are trying to put a satellite in orbit.
(宇宙のセンサー、日本、アラスカと海上のレーダーで、米国は北朝鮮が実際に衛星を軌道に乗せようとしているのかどうか、最初の数分で分かる)
|
転載について
日刊ベリタに掲載された記事を転載される場合は、有料・無料を問わず、編集部にご連絡ください。ただし、見出しとリード文につきましてはその限りでありません。
印刷媒体向けの記事配信も行っておりますので、記事を利用したい場合は事務局までご連絡下さい。
|
|
|