アウンサンスーチーさんはじめビルマ(ミャンマー)のすべての政治囚の即時釈放を求めるグローバル署名キャンペーンに、世界220の国と地域から65万2179筆(日本からは1万4890筆)の署名が集まった。キャンペーンを呼びかけたビルマ政治囚支援協会とビルマ民主主義フォーラム(FDB)は5月26日、本部のあるタイのバンコクで記者会見を行い、播其文国連事務総長に署名文を渡し、ビルマの民主化実現のため国連があらゆる手段で努力をはらうよう求めていきたいと述べた。(ベリタ編集部)
元政治囚や民主化活動家からなるビルマ政治囚支援協会によると、ビルマには現在2,156人の政治囚が刑務所や強制労働所に収容されている。また2008年10月以降、350人以上の民主化活動家が非公開の裁判で有罪判決を宣告され、最長で禁固104年という非常に厳しい判決を言い渡された。2008年11月以降、230人以上が家族と遠く離れたビルマ各地の刑務所に移送された。
民主化運動の指導者アウンサンスーチーさんは現在、1989年以降3回目の自宅宅軟禁下に置かれ、通算13年を超えている。さらに軍事政権は今年5月、スーチー邸に米国人が入ったのは国家防御法違反だとして彼女の身柄をインセイン刑務所に移し、非公開の裁判にかけている。
こうした状況をうけて、ビルマ政治囚支援協会とビルマ民主主義フォーラムが「ビルマ人権の日」にあたる3月13日に、「今すぐビルマの政治囚の釈放を!(Free Burma’s Political Prisoners Now!)」のキャンペーンを開始。世界各国のビルマ人民主化団体や支援団体に国連事務総長あての署名文への署名を呼びかけた。これに活動家のオンライン・コミュニティであるAvaazが加わり、署名を集めた。
開始から10週間で世界220の国と地域から65万を超える署名が集まったことについて、FDBのナインアウン事務局長は「ビルマのためにこれほど多くの世界中の人々が一丸となって取り組んだキャンペーンは初めてだ」と述べた。10秒に1人が署名した計算になるという。
署名文は、播国連総長に対して、ビルマの民主化に向けた重要な一歩として、すべての政治囚の釈放を事務総長自身が最優先課題とするよう求めている。事務総長はビルマを訪問するため軍事政権と交渉しており、アウンサンスーチーさんの拘束についても「深く懸念している」と表明している。
ビルマ政治囚支援協会の共同設立者であるボーチー氏は、「世界は播其文国連事務総長に注目している。事務総長は(軍政との交渉で)あらゆる手段を用い、アウンサンスーチーさんと全ての政治囚の即時・無条件の釈放を実現させなければならない。政治囚の釈放なしに国民和解などあり得ないのだから」と述べた。
Avaaz のリッケン・パテル事務局長は、「アウンサンスーチーはビルマのネルソン・マンデラだ。国連事務総長は軍事政権に対し、国際社会と関係を持ち続けるには、アウンサンスーチーさんを釈放することが条件となると強く主張するべきだ」と述べた。
日本のキャンペーン参加団体、ビルマ市民フォーラムは、「ちょうどこのキャンペーンの取組みのさなかに、アウンサンスーチー氏が新たな罪状で逮捕されるという報が流れました。ビルマ軍事政権は、政権維持のためならどんな手段でも用いようとするところであることがはっきりしています。私たちは、ビルマの解放と民主化を願う日本と世界中の声をこれからも届け続けたいと思います」との声明を発表した。
日本における5月24日現在の参加・賛同団体は以下のとおり。
ビルマ政治囚支援協会(日本) 国民民主連盟(解放地域)日本支部 全ビルマ学生連盟(外交委員会) ビルマ民主化同盟 新社会民主党(日本支部) 在日ビルマ人共同行動実行委員会(JAC) ビルマ日本事務所 (社)アムネスティ・インターナショナル日本 ビルマ市民フォーラム(PFB) 日本ビルマ救援センター(BRCJ) ヒューマンライツ・ナウ(HRN) アジア人権基金 ティナラク織の会「カフティ」 NGO「人権・正義と平和連帯フォーラム」福岡 アジア女性資料センター アーユス仏教国際協力ネットワーク JAM 全日本鉄道労働組合総連合会
★ビルマ政治囚支援協会(URL: http://www.aappb.org/ ) ★ビルマ民主主義フォーラム(URL: http://www.democraticforumburma.org/ ) ★キャンペーン公式ウェブサイト:http://www.fbppn.net/ ★キャンペーンに賛同した団体のリスト::http://www.fbppn.net/?page_id=1750
★日本での問合せ先: fbppn.japan@gmail.com ★キャンペーン日本語サイトはこちら
http://www.amnesty.or.jp/modules/wfsection/article.php?articleid=2349
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