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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2009年05月29日14時50分掲載
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社会
不正取得情報でも利用・転売は自由 三菱UFJ証券個人情報流出事件で明らかに
三菱UFJ証券で個人情報が大量に流出した事件は、内容が金融情報だけに多くの人や関係機関にショックを与えたが、さらに深刻なのは現在の法体系ではこうした事態を完全に防ぐことができないことが明らかになったことである。日本消費者連盟は個人情報保護法の不備を指摘、その改正を提起している。(日刊ベリタ編集部)
三菱UFJ証券は2009年4月8日、同社システム部元部長代理が、同社の顧客約150万人分の個人情報を不正に持ち出し、うち4万9159人分を名簿業者3社に約33万円で売っていたと発表しました。同社では09年3月以降、顧客から「マンション業者や先物取引業者から不審な商品勧誘があった」などとする通報が相次ぎ、調査したところ、事件が明るみに出たとしています。
この事件では、特に秘匿性の高い金融情報が流出したことで、これまでの個人情報流出事件の中でも特に注目が集まっています。しかし、より重要なことは、今回の事件により、こうした事件の未然防止と事後の被害拡大に、個人情報保護法が何ら役に立っていないことが浮き彫りになったことです。
まず第一に、いまの個人情報保には、不正に得た個人情報の利用を禁じる規定がありません。
もちろん同法でも、「偽りその他不正の手段により個人情報を取得してはならない」(第17条)としています。しかし、ここでは取得の方法が問題にされているだけで、そうして得られた個人情報の利用の是非は問われていません。
その証拠に、今回流出した約5万人分の個人情報は、3礼の名簿業者から、わかっているだけでも77礼に転売され、いまも利用され続けています。三菱UFJ証券では、利用停止を求める文書を送付していますが、法的拘束力はなく、「転売を差し止める手段は、残念ながらない」と話しています。
これでは、名簿業者などは出所を気にすることなく個人情報を購入でき、買ってくれる人がいる以上、「不正の手段」によってでも個人情報を売ろうとする人が後を絶だないのは当然です。
第二に、同法には、個人情報の入手先を本人に開示する義務が業者にないことも問題です。
今回のように不審な勧誘を受けた際、誰もが最初に「どこで私のことを知ったのか」と疑問を持ちます。その疑問に答える義務さえ業者にあれば、もっと早くに事件が発覚していたはずです。さらに、それに答えなければならない以上、業者も不正な方法で得た個人情報を利用することは事実上不可能になります。
不正な取得でも利用可能で、人手元の開示義務もないとなれば、不正行為に対する抑止としては何の効果もありません。
このように個人情報保護法が役立たないそもそもの原因は、同法が個人情報の取り扱いについて、できるだけ本人の関与を省く方向で組み立てられているからです。その端的な例が、あらかじめ利用目的を公表してさえいれば、本人の関与なしに個人情報が取得できる「間接取得」を原則としていることです。
これを是正するには、個人情報の取得には本人からの「直接取得」を原則にし、人手元の開示義務を利用者に課すなど、可能な限り取り扱いへの本人関与を強めること以外にありません。
日消運では、今回の事件をきっかけに、個人情報保護法の改正を国会などに働きかけていきます。
(吉村英二)
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