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2009年07月07日23時11分掲載
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社会
「私たちを抹殺しないで」 全身性障害者グループが臓器移植法に反対を表明
全国の脳性マヒ者を中心とする全身性障害者の有志のグループである「優生思想に基づく「産科医療補償制度」に抗議する障害者当事者全国連合」は、現在参議院で審議中の臓器移植法に対し、「反対」を表明、参議院議員に「慎重かつ徹底的な論議」を求める要望書を出した。要望書のなかで同連合は「脳性マヒ者など全身性障害者は、親や社会から『迷惑者』『あってはならない存在』として殺されてきた歴史があります。実際に殺されてきましたし、社会的な無視と抑圧という形という意味での抹殺は、いまだに日常のこととして繰り返されています」と悲痛な訴えを発している。以下、要望書を紹介する。(日刊ベリタ編集部)
参議院議員各位
臓器移植法「改正」に反対する要望書 優生思想に基づく「産科医療補償制度」に抗議する障害当事者全国連合
私たち「優生思想に基づく「産科医療補償制度」に抗議する障害者当事者全国連合」は、臓器移植法「改正」の反対の立場で下記のことを強くご要望申し上げま す。
記
1.脳死を「人の死」と一律に定義し、家族の同意で臓器移植を可能とさせる臓器移植法改正案に反対して下さい。
2.救急医療の問題を含め、医療技術の向上など、日本の医療を巡る状況の抜本的な改善に向けた議論を徹底的に行ってください。
3.臓器移植法改正案については、厚生労働委員会で十分に時間を確保し、慎重かつ徹底的な議論を行なって下さい。
私たちは全国の脳性マヒ者を中心とする全身性障害者の有志のグループです。今年から施行された「産科医療補償制度」に対し、脳性マヒの子どもだけを対象にしていることなど、優生思想の見地から反対の運動を国会や厚生労働省に対し繰り広げてきました。
さて、臓器移植法の4つの「改正」案がこの国会に提出され、去る6月18日「改正」A案が、十分な審議を経ないまま、衆議院本題で可決され、参議院に送られてしまいました。
臓器移植の問題は一言で語りつくせない深刻で複雑な問題であると私たちは理解しています。人の生命をどういう価値観でとらえ、認識し、わかり合えるか、という根源的な問題であることも十分承知しています。
しかし、改正A案は脳死を「人の死」と一律に「脳死」と定義してしまっています。はたして100%そういいきれるのでしょうか。また15歳未満の子どもからの臓器移植については家族の同意があればできてしまう、とする考え方が打ち出されています。脳死と判定された子どもたちが回復したという症例がいくつも報告されています。死の宣告は、その人の可能性を閉ざすものであり、もう後戻りできないことを意味し、だからこそ慎重には慎重を重ねてなされなければなりません。
私たち脳性マヒ者など全身性障害者は、親や社会から「迷惑者」「あってはならない存在」として殺されてきた歴史があります。実際に殺されてきましたし、社会的な無視と抑圧という形という意味での抹殺は、いまだに日常のこととして繰り返されています。
だからこそ、脳性マヒ者や難病の人など障害の重い人たちは、死の定義、あるいは生の価値観に敏感にならざるを得ません。自分の明日の問題、いや今日の問題につながってくるからです。
みんな実は生きたいのです。脳性マヒ者や難病の人の多くは生きたいのです。もし尊厳死を選択したいと言っている人が居たとしたら、それはもしかしたら、自分の身体からくる苦痛からきている場合もあるかもしれませんが、むしろ周囲に気を使うという意識が強く働き、そういう周囲との葛藤から逃れたいという気持ちが現われてしまっていると認識すべきだと思います。
私たちは、脳死を一律に人の死とする改正及び本人の自己決定を否定し、15歳未満の子どもの脳死につき家族の同意と倫理委員会等の判断をもって臓器摘出を認める改正を行なうことを絶対認めることはできません。家族の同意があれば“死”の宣告がされてしまう、つまり生命が絶たれてしまうという状況を可能とさせてしまうことは、私たち全身性障害者が長年、子は親と別人格であることを強く訴え闘ってきた事と、真っ向から反することです。
この問題は本当に複雑な問題です。国会において、障害のある人や、難病の人など、当事者の声に十分耳を傾けて行われるべき重要な問題だと私たちは考えます。
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