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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2009年12月13日14時14分掲載
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ロシアン・カクテル
(12)サンタクロースはロシアに来ない?<上> タチヤーナ・スニトコ
クリスマスを待ちながら、多くの国では子供たちがサンタクロースのプレゼントを願って靴とソックスを用意していますね!
しかし、ロシアでは事情は違うのです!ロシアにはサンタはやって来ないのです!ロシアではサンタに代わって、“デード モローズ(Ded Moroz)”(霜のお爺さん)が子供たちにプレゼントを届けるのです。それも、クリスマスの時ではなく、お正月の時なのです。
サンタと“霜のお爺さんモローズ”は親戚ではないのです。それぞれ異なる文化伝統の中で生まれたのです。
サンタクロースというのはキリスト教の聖職者聖ニコラウス(Saint Nicolaus)のニックネームなのです。聖ニコラウスは、当時ニューアムステルダムという名であった現在のニューヨーク市の初期の入植者たちからシンタークラース(Sinter Klaas)と呼ばれていました。そのニューアムステルダムでは、聖ニコラウスは貧者の家々の煙突から金の入った袋を密かに落として回っていたと言われています。そして、その袋は暖炉に掛けられていたストッキングの中へと落ちて入ったのです。これが、クリスマスイヴにサンタクロースのプレゼントを期待してにストッキングを掛けておく習慣の由来なのです。 聖ニクラウスは、神は人々に富の差異を作らなかったという理由で、富者はその富を寛容の精神を持って貧者と分かち合わなければならないというカトリックの精神を具現したのです。
ロシアの“霜のお爺さんモローズ”はキリスト教とは無関係なのです。スラブ神話の人物です。“霜お爺さんモローズ”というのは、スラブの重要で厳格な(恐怖をいだかせる)先祖の神“デード”なのです。今でも、北方の民族は“霜お爺さんモローズ”をなだめるために、家から外へ向かってクッキーを投げ、外へお酒を振り注ぐのです。
スラブの伝説では、“霜お爺さんモローズ”というのは冬の酷寒の象徴なのです。”霜お爺さんモローズ”は白髪・白髭のおじいさんなのです。そして、氷の家に住んでいて、雪の蒲団に寝ているのです。長いシューバ(毛皮の外套)を着ていて、ボヤリンの帽子をかぶって、ワーレンキをはいているのです。“霜お爺さんはモローズ”は出かける時はトロイカ(三頭立ての馬車)に乗ります。
一番の特徴は、この“霜お爺さんモローズ”は一人ではないのです。いつも孫娘である“雪娘”が一緒なのです。(この“雪娘”は縁起がいいと言われています!)
“霜お爺さんモローズ”の生活には分からないことが沢山あります。このお爺さんは結婚しているのでしょうか。もし、結婚しているとすると奥さんはいったい誰なのでしょうか。家はどこにあるのでしょう。きっと、ずっと北方で一年中冬があるところなのでしょう。
1998年に、”霜お爺さんモローズ“はヴェリキイ・ウスチュグと言う町に移住させられました。そこにお爺さん用の官邸が建てられました。ロシアでは大統領だけが官邸を持っていたのですが、今や”霜お爺さんモローズ“も官邸を持つことになったのです。そのことにより、” 霜お爺さんモローズ“の官邸のある静かな地方の町は急に活気を呈したのです。ヴェリキイ・ウスチュグは観光地になりました。沢山の人々がそこを訪ねるようになりました。また、多くの子供たちが”霜お爺さんモローズ“に手紙を書くようになりました。
“霜お爺さんモローズ”は自分の印鑑を持っていて、“ツァーリ(皇帝)”の肘掛の椅子に座るのです。現代のロシアでは、“霜お祖父さんモローズ”は今や人気ブランドだと言えます。プーチン大統領の時代、大統領選挙の期間中、子供たちはプーチン宛手紙を書くよう勧められました。ある少女は次期も大統領に留まってくださいとプーチン宛の手紙を書きました。 (つづく)
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霜お爺さんに扮したプーチン
霜お爺さんモローズと孫娘
霜お爺さんに手紙を出す子ども
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