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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2010年01月01日09時34分掲載
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ロシアン・カクテル
(15)ロシアにはお正月が何回あるか タチヤーナ・スニトコ
ロシアでは、その年の正月のお祝いの仕方が、その後の一年の過ごし方の前兆になると言われています。その為に、ロシアの人々は一生懸命に熱心に正月の準備をして新年を喜びの気持ちで迎えるのです。
おかしなことには、多くのロシア人は、正月を二回(1月1日と1月14日)、クリスマスも二回祝うのです(12月25日と1月7日。)!
そして又、加えて奇妙なことには、1月1日の正月を祝うことに反対する人々もいるのです。それは、ロシアの正教(東方正教会)の信者の人たちです。
その混乱の源は1918に遡ります。ロシアでは、ロシア革命後、ユリウス暦(紀元前45年から使用されている太陽暦の一種)からグレゴリオ暦(1582年にローマ教皇庁から発布された太陽暦であり現在の西暦として使われており、ユリウス暦とは4年に約44分の差がある)への切り替えが行われたのですが、ロシア正教会(東方正教会)だけは、その後もユリウス暦を使い続けたのです。それで、現在でもロシア正教会ではユリウス暦を用いて祭 礼を行っているのです。
ロシアでも、昔は、クリスマスが先で正月が後でした。クリスマスの祭日が使用する暦の違いのために日にちがだんだんと年が経過するにつれてずれてきて、現在では、正月が先でクリスマスが後になっているのです。正月の祝いの時期がクリスマスの最も厳しい断食の週に重なっているのです。 教会では断食の期間中は菜食のみを認めていますが、お酒は許可していません。現在、ロシア正教徒はどうすればいいか自分で判断しなければなりません。教会の神父の判断も一様ではありません。ロック・ミュージックのファンとして有名なセルギイ修道院長は、みんなが新年を祝う正月に断食をするのは適切ではない。それ故、各自の判断に任せるべきだと言っています。
祝いが好きな人は誰でも正月を祝うことが出来ます。新年をモミの木で飾って、家族と共に祝うことができるのです。旧暦の新年(1月14日、ユリウス暦)では、古代スラブの料理を作って新年の占いをします。絵葉書製作会社は、絵葉書の購入者の要求に合わせて、次のような、いくつものパターンの祝いの言葉を印刷した絵葉書を準備するのです。 “Merry Christmas!” “Happy New Year!”, “Merry Christmas and Happy New Year!”, “Happy New Year and Merry Christmas!”
最近のグローバル化の時代の潮流とともに、ロシアに間違った東洋の習慣が入ってきました。 “2010年 寅年おめでとう!”というポストカードもあります。新聞やテレビで、新年のパーティーにどんな装いで参加するのがよいかというアドバイスも見かけます。例えば、虎縞模様のドレスなどです。(海軍のT−シャツも虎縞模様です)。又、テーブルを虎縞模様のキャンドルで飾り、例えば虎の子のように盛り付けたサラダ(写真参考)を食べたり、オレンジ色のジュースやコニャックなどを飲んだりと自分好みのオレンジ色のものを食べたり飲んだりすることも推奨されています。
ロシア人の中にはこの時期に続くお祝いの行事ばかり夢中になって仕事や勉強がおろそかになる人たちもいます。このことが国では問題になりました。毎年1月にはビジネス活動が停滞し、同時に 度重なるパーティーなどのために酔っぱらいが増えてしまうのです。そのために、毎年政府の中では、連休の長さ(長いときは10日連休となる)について討論がされます。大酒飲みの亭主を持った奥さんたちは、大統領に「どうか、連休を短くして下さい」と手紙を書いて嘆願するのです。
多くのロシア人にとって、二回目のクリスマスの後には、“スヴャトキ”(クリスマス週間)やイエス洗礼祭やタチヤーナ祭(学生の祭り)などがあるので、1月にはいったい休日が何日あるのか答えることはとても難しいのです。
早い話が、毎年1月というのは、誰にとってもお祝いする口実が何でもある月なのです。 良いお年を! (つづく)
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“虎の子”の盛りつけサラダ
これもトラ
これもトラ





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