丸木美術館で沖縄に関連した美術展を開催したい、という構想が語られ始めたのは数年前だったと思います。それが、やっと実現の運びとなりました。沖縄がこんなに話題の中心になっている時期に。いまほど、一人ひとりが沖縄をどう語るかというその視点が問われている時期はないと思います。(つるたまさひで)
アーチストたちがつなぎとめようとしてきた記憶、ある意味では未来に向けたその記憶を感じてください。そこから生まれる想像力―創造力がこの混沌をひきずりながらも、そこを超えていく何かにつながれるのではないかと思うのです。
詳しい案内は下記の美術館のウェブサイトに、出展作品の画像つきで紹介されています。ぜひ、見てください。そして、丸木に来てください。
以下、丸木美術館からのお知らせの転載
原爆の図・丸木美術館【企画展 OKINAWA―つなぎとめる記憶】 会期 2010年4月17日(土)〜7月10日(土)
http://www.aya.or.jp/~marukimsn/kikaku/2010/2010okinawa.html
《原爆の図》を描き、戦争とは何かを生涯かけて問い続けた丸木位里・丸木俊夫妻が、最後にたどりついた場所。それが沖縄でした。
「沖縄を描くことがいちばん戦争を描いたことになります」 (丸木位里の言葉)
1945年3月の米軍沖縄上陸。数か月におよぶ地上戦の末、沖縄の人びとは米軍に追い詰められ、味方であるはずの日本軍にも死の選択を突きつけられ、次々と命を落としていきました。
そこには、極限の戦闘状態における軍隊の真の姿とともに、近代以降、沖縄が強いられてきた複雑な歴史の影が透けて見えたのです。
そしてその影は、敗戦後の米国統治の時代を経て、1972年の日本復帰後も米軍基地の集中という形で続いています。
本展では、普天間基地に隣接して丸木夫妻の《沖縄戦の図》を展示する佐喜眞美術館の協力により、沖縄戦の「集団自決(強制集団死)」や虐殺事件を取材した丸木夫妻の絵画を中心に、複雑な歴史の“記憶”を想起させる沖縄の芸術家たちの絵画や彫刻、写真などを紹介します。
これらの作品を鑑賞するなかで、普天間基地の移設問題で揺れる沖縄からの魂の声を実感し、国家による公式な記録とは別の視点から一般の人びとが語り継ぐ “記憶”の意味を再考することができるでしょう。
●出品作家(五十音順) 安次嶺金正、安谷屋正義、新垣安之輔、オサム・ジェームス・中川、嘉手川繁夫、儀間比呂志、金城明一、金城満、金城実、近田洋一、玉那覇正吉、照屋勇賢、仲里安広、比嘉豊光、丸木位里、丸木俊、山城見信、山元恵一(絵画、立体、写真、映像など59点)
●関連企画(予定) 講演会「《沖縄戦の図》と私のコレクション」 ○5月5日(水・祝/丸木美術館開館記念日)14時 講師:佐喜眞道夫(佐喜眞美術館館長) 朗読「おきなわ島のこえ」「ウンジュよ」/講演会「沖縄の戦後と美術を語る」
○6月26日(土)14時 出演者:朗読:谷英美(アローンシアター)、 講演:針生一郎(美術評論家・丸木美術館館長)
●小図録 A5版32頁 頒価600円(送料別) 執筆:上間かな恵(佐喜眞美術館学芸員)、杉田明宏(大東文化大学・平和学)、 若林千代(沖縄大学・沖縄現代史)、岡村幸宣(原爆の図丸木美術館学芸員)
【丸木美術館43周年開館記念日】 2010年5月5日(水祝)
http://www.aya.or.jp/~marukimsn/event/100505/100505.html
●スケジュール 10:00〜 上映会「みなまた海のこえ」 12:00〜 丸木美術館クラブ・工作教室 13:00〜13:15 開館記念日の集い 13:30〜14:00 コンサート 東京荒川少年少女合唱隊 14:00〜15:00 講演:《沖縄戦の図》と私のコレクション 佐喜眞道夫さん(佐喜眞美術館館長) 15:30〜17:00 友の会交流パーティ
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つるたまさひで ブログ「今日、考えたこと」
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