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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2010年04月25日10時52分掲載
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ロシアン・カクテル
(22)ロシアに桜は?<上> 「春」に向かう3つのステップ タチヤーナ・スニトコ
今年の日本は桜の開花は早かったようですが、好天の日は少なかったようですね。美しい桜も早や葉桜となり薄いピンク色の桜の波となって桜前線も北の大地に向かって北上中です。 毎年のまるで奇跡のように見える春爛漫に咲き誇る桜の花は人の心を暖めてくれます。この桜を見ているとこれからの人生に何か良いことが起こりそうな予感がしてきます。白とピンクの花びらが舞い落ちる様はまるで春の雨のようです。本格的な春の始まりです。
「お花見」は 恐らく日本だけの習慣だろうと思います。その意味する文化は「美意識」です。モスクワでは桜はモスクワ植物公園にある日本庭園にしか咲いていません。とても残念だと思うのですが、いろいろな理由で日本の花見のような習慣はロシアにはありません。
スラブ文化の成立ちの経緯は日本文化の成り立ちとは違っています。ロシアでは、昔は人々の生活は農業の収穫の周期に従い自然界の季節の移り変わりに従っていました。ロシアの季節の変化はゆっくりとしています。「春」に向かって3つのステップ(!)があります。
先ず最初のステップは「スレテニイェ」(2月14日)、スレテニイェСретеньеとは“会うこと”を意味します)です。この日、「冬」は「春」に出会います。彼らは「どちら」が引っ込み「どちら」が表舞台へ現れるかで押し合うのです。晴れた日に冬と春の最初の出会いがあると考えられています。その出会いの主たる兆しは「最初のつらら」です。
第二のステップは3月21日の「春分の日」です。その日には40種類の鳥が南の国から戻ってくると言われています。森の中には最初の雪解けの地表部分が現れます。
それから、最初の春の兆しは空気に現れてきます。ある日、家から外へ出ると今までと違った空気の新鮮さを感じ春の足音が聞こえます。その後、何日か経つと木の葉の芽に変化が現れ始めます。木の芽が膨らみ始めるのです。
雪の下からは最初の花が現れてきます。「ポドスネジニキ(подснежники、雪ノ下)」です。 待雪草(まつゆきそう)はその内の一つです。ロシアでは、異なった地方で異なった花が「雪ノ下」と呼ばれています。
春の初めに花を開き始めるのは花だけではないのです。人も花開くのです。ロシアの女性たちは冬の間ずっと着ていてもう飽き飽きしていた重い毛皮のコートを脱いで明るい色の衣服に着替えます。微笑みも増えてきます。女性たちの多くが恋に落ちるのは「春」と言われています。子供たちや若者たちの顔も輝いてきます。彼らの顔の表面には小さな斑点が現れます。ロシアでは「春のそばかす(веснушки)」と呼ばれています。 (つづく)
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春を告げる「雪ノ下」
つらら─冬と春の最初の出会い
「春のそばかす」
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