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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2010年09月18日18時14分掲載
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人権/反差別/司法
外国人のための弁護チームが今秋、池袋に発足
池袋にある東京パブリック法律事務所は東京弁護士会が8年前に公設した法律事務所だ。都市型公設法律事務所と呼ばれ、弁護士の偏りを埋めるため、東京でも弁護士の少なかった池袋に設立された。これまで若手弁護士を鍛え、地方の弁護士過疎地に派遣してきた実績がある。ここに11月から外国人のための弁護チームが発足する。
「近年、日本においても外国籍を持つ住民が増えています。しかし、外国籍の方々が暮らしの中で法律的な問題にぶつかっても、言葉や情報格差、金銭的な問題などから、法的扶助窓口にたどり着くのは簡単なことではありません。東京パブリック法律事務所は、東京弁護士会が、公益的な役割を果たし「市民の駆け込み寺」となるべく設置した都市型公設事務所であり、地域で生じているこうした外国人の方々の司法アクセス障害を解消するのもその1つの役割です」(「外国人部門を開設します」より)
10月31日にはお披露目の意味もこめて外国人からの無料法律相談を一斉に受け付ける。午後1時から4時までの予定だ。ポルトガル語、インドネシア語、タイ語、中国語、フィリピン語、ベンガル語、ビルマ語、ベトナム語、韓国語、中国語、スペイン語、フランス語、英語など多数の通訳を呼び、30人を越える応援弁護士が駆けつけるという。専任チームは3人の予定だが、ベテラン弁護士が彼らをサポートするほか、行政書士やNPO、ボランティアと連携を取る方針だという。こうした外国人の弁護に力を入れる動きが最近、活発化している。
外国人の係争事件に積極的に取り組んでいくための弁護士のネットワーク「外国人ローヤリングネットワーク(LNF)」は去年5月に発足した。現在、若手を中心に全国で810人の弁護士が参加し、定期的に勉強会を開くほか、インターネットを活用して、情報交換を行っている。研修生・実習生の過労死、外国人労働者の解雇、難民申請、国際離婚など案件は様々だ。2008年のリーマンショック以後、解雇によって帰国を迫られるケースや住宅ローンなど多額の債務を抱えるケースなどが増えているという。不況になるとまっさきに生活の基盤が脅かされるのが外国人労働者とその家族である。
こうした動きの背景には日本に外国人が増加している実情がある。法務省入国管理局の統計によると平成20年の統計では過去最高の221万人を記録した。難民申請も最近増え、年間1000件を越えた。そのため法務省・入管のマンパワーの不足から認定までの期間も平均2年と、長期化している。
しかし、これまで外国人の係争案件はラクではなかった。言語の壁や弁護士料が払えない難民、さらに平均2年近くかかる難民認定までの期間などの諸事情があり、弁護士にとっては負担が重く、ほとんど儲からない任務だった。そのため、一部の弁護士が寝食を削ってボランティアに近い形で引き受けてきた事情がある。
ところが最近、事情が変わってきたようだ。背景には法科大学院制度がある。NPOやNGOなどで国際協力活動などの経験がある人材が法科大学院を経て弁護士になるケースが少なくないという。彼らは外国人弁護に高い関心を示し、インターネットで地方にいながらでも全国の訴訟情報を得たり、先輩弁護士からアドバイスを受けたりして積極的に取り組んでいる。そういう意味で、外国人のための弁護チームは日本の新しい法律家を象徴している。
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