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2010年10月09日10時15分掲載
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米国
「国連も連邦政府もいらない」 草の根保守テイー・パーテイ派が国連立ち入り禁止地域
オバマ大統領は、就任以来国連を重視し国際協調の大切さを訴えかけてきた。しかし、地方の町では、人々は国際社会とは無縁に暮らしている。それどころか、独自で「国連禁止地域」条例を制定し、住民や企業が国連と関連することを禁止している町や郡もある。オレゴン州グラント郡の住民のインタビューをはさみ、国内外からの干渉を頑に拒む保守の姿を紹介する。(オレゴン州マウント・バーナン=マクレーン末子)
オレゴン州北東部に位置するグラント郡。その中の人口550の町マウント・バーナンで、道ばたにある大きな立て看板が目についた。「UN フリーゾーン 国連立ち入り禁止」
その看板を自宅前に出しているのは、デイビッド・トレーラーさん。海兵隊出身、現在は鍛冶屋の仕事をしたり、棺を海軍・空軍出身の友人二人と作っている。「グラント郡は、オレゴン州で初めてこの条例を通過させた」とトレーラーさんは誇らしげに言う。
2002年5月、7800の人口をもつ同郡は、登録有権者約4700人の賛成投票をもって、「UN フリーゾーン」を条例化した。「UN フリーゾーン」とは、州、郡、都市、町など、国連の権威から独立することを宣言した地域をさす。条例では、個人や企業が国連に関連する仕事や活動をするのを禁じている。
「この町でも3分の2が賛成にまわった。もし今投票が新たにされたら、多分 80〜90%が賛成にまわるだろうよ」とトレーラーさんは強気だ。トレーラーさんは「UN フリーゾーン」条例推進派の一人として、約1年間地元での賛成を得るのに貢献してきた。
この地域の住民の大半は、3世代以上にわたって伐採、農業を続けている。自分たちの土地は、誰でもない自分たちで守るという強い信念がある。住民の多くが、この条例に賛成したのには、自分たちの土地が「国連世界遺産」や「生物圏保護区」として指定されるのではないか、ひいては個人の土地にも大きな規制がひかれるのではないかという恐れからだという。
「土地だけでなく、国連は個人の銃を奪い、子供の教育をコントロールし、キリスト教を排除し世界一神教にしようとしていると、住民は信じているよ」とトレーラーさんは言う。
国連への不信感や恐れは、保守派にとっては新しいことではない。彼らは国内外の権威からの干渉に、敏感に反応し抵抗する。国連であろうが、連邦政府であろうが、彼らの生活への干渉は大きな脅威とみなされる。
トレーラーさんは、連邦政府による「極端な環境保護」について話し始めた。近くにあるストロベリー山は保護地域に指定されたため、通常伐採とともにされる下草除去がされないために、数年前山火事が起こった。誰もが利益を得ることなく木々は煙になってしまったという。伐採規制のため林業は衰退し、失業率は現在15%に上がっている。「UN フリーゾーン」条例化とともに、同郡は保護地域での伐採禁止を無視し、地元での森林管理を要求する決議をしている。
「大きな政府はいらない、郡レベルで十分」とトレーラーさんはつけ加える。これは、昨年から全米で広がっている、保守草の根テイー・パーテイ運動の主張である。小さな政府で十分。自分の土地は自分で守る。十分自立して生きていると胸をはる。自分が築いた財産を自分で使う、どこが悪いのか。なぜ他人のために、税金を払わなければいけないのか。なぜ国民皆健康保険が必要なのか。
隣町ジョン・デイーで、経済活性課責任者のサリー・ バーレットさんは「この地域では、大半の人が、トレーラーさんのような保守主義者。しかし、自立していると言うが、連邦政府による社会保障給付金や失業保険をもらうのには、抵抗がないというのは矛盾している」と指摘する。加えて、多くの老人は、高齢者向け医療保険制度メディケアに頼っている。
全米で、白人の占める割合は約66%。しかし、グラント郡のような地方では、9割以上がワスプ(アングロサクソン・プロテスタント)と呼ばれる保守白人である。郡レベルの小さな政府の下で、よそ者を排し同じ価値観をもつ白人ユートピアを築こうとしているようである。
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「UN フリーゾーン」サイン オレゴン州マウント・バーナン





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