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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2010年10月20日00時38分掲載
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人権/反差別/司法
司法修習生になる若者たちの訴え 2 〜給費制の存続を求める〜
今、問題になっている司法修習生への給費制打ち切りと貸与制への移行についての、これから司法試験に挑む人たちの声を紹介する。法科大学院生および法科大学院修了生のアンケートから。
「ロースクール生は、修了時平均318万円の負債を抱えている。貸与制への移行によって年約300万円の負債が増加されることに将来が不安になる」
「妻子がいながら、30歳で会社を辞めてロースクールに進みました。会社員時代の貯金はほぼ使い尽くし、妻の支えでなんとか勉強を続けることができました。是非とも給費制を維持して頂きたいと思っています。」
「給費制は維持してもらいたいです。月10万くらいでも十分有難いです」
「奨学金を500万円借りております。仮に合格したとしても、修習中にまた借りなければならず、さらに修習中にアルバイトが禁止とあっては借金は膨らむばかりです。現在、弁護士の就職難も問題化しており、仮に司法試験に合格したとしても借入金を返還できるのか、不安でたまりません。」
「母子家庭で高校から奨学金を受けています。法科大学院終了時の返還額は700万円を越え、合格できるかという不安とともに、将来への大きなハードルになっています。」
「私は大学、大学院と合わせると、計600万円ほどの奨学金を借りております。この上、司法修習生への金銭貸与制が実施されますと、借入金額が1000万円弱になってしまいます。弁護士増加による就職難が取り沙汰されている昨今、1000万円の借金を背負ったまま法曹になるのは非常に不安です。」
「奨学金の額が1000万円を越えてしまいました。助けてください」
「借入れた奨学金の合計額は有利子、無利子併せて700万円近くになります。学部時代まで借金をした経験すらなかった自分が、26歳にしてこれだけの借金を抱えて、果たして返していけるのか、それだけでも不安でたまりません」
「破産してしまったら弁護士になれなくなってしまうので、ぜひ給費制の維持をお願いしたいです」
これらの声はこれから司法試験に挑む人たちの声である。今年の合格率は25%と、新司法試験実施の当初見込んだ合格率には遠く及ばない。予備試験を除けば、法科大学院修了時から5年間に3回までしか受験できないため、もし3回続けて失敗してしまったら、借金だけが残ることになる。そのため、すでに2回司法試験に失敗した人の中には就職活動をしている人もいるという。
また運良く司法試験に合格できてもその先には就職難が待ち受けている。今年11月に司法修習を終える司法試験合格者約2000人中、まだ就職先が決まっていない人が700人ぐらいいると聞く。とすれば3分の1の人がまだ就職先が決まっていないことになる。修了時までに決まらなければ自分で即・独立開業、いわゆる「ソク独」などの身になるほかない。そうなると営業がはかどらなければ借金の返済も滞ってしまう。
当初、法科大学院には社会人を含めた多様な人材を法曹界に入れて活性化させよう、という狙いがあった。しかし、蓋を開けてみると、年々、社会人や法科以外の学部を経た人が法科大学院に入ってくる割合は減っているそうである。このままでは資力のある家の子弟ばかりになってしまいかねない。
村上良太
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