エジプトの情勢が緊迫とを増している。現地から断片的に入る情勢をお伝えする。民主化デモを襲っているムバラク支持派の実態について、民主化デモつぶしを条件に囚人を刑務所から出し、金を支給して動員したという証言も明らかになっている。たカイロではデモで負傷した人への献血をする市民の行列が病院を取り巻いていると、韓国ハンギョレ・サランバンのチョ・キウォン記者が2月1日に伝えてきた。エジプト政府に国際世論を伝えるネット署名も始まっている。(日刊べリタ編集部)
民主化を求める市民のデモに攻撃をかけるムバラク支持派のデモ。その衝突で民主化要求派に捕まったムバラク支持派の複数の人間からの証言としして、次の話が伝えられている。 囚人に対し、刑務所を出す条件として、タフリール広場のデモ潰しを条件に出され、かつ500ポンドから1000ポンドを受け取ったとのだ。支持派のデモ隊全体がそうとはいえないにしても、このエピソードは相当数の人間がデモつぶしの為に、政府から金をもらい動員されている事実を示している。
その一方で、市民の連帯は生活の隅々まで広がっている。韓国のハンギョレ・サランバンのチョ・キウォン記者は「混乱と略奪。 エジプト デモではこういう報道がひっきりなしに流れているが、自警団を設けボランティアをするエジプト人の自発的動きはますます広がっている。無秩序は現政権の利益になるだけだとし、市民が自身の手で自分たちの革命を守ろうと立ち上がっている」という書きだしで、次のような出来事を伝えている。 エジプト第2の都市アレクサンドリアでは市民たちが人民委員会をつくり、ボランティアメンバーらは交通、清掃、治安、非常事態の4領域に分かれて仕事をしている。その一人、歯科医師 カルリド トゥピクは 「私たちは世界に政府や警察がなくとも我が国を管理できることを見せてあげたい」と話した
首都カイロでは献血の行列が続いた。30日カイロ最大の病院であるカイロ大学病院には献血待機者1000人余りが列を成していたと<エルサレム ポスト>は伝えた。 デモ途中にケガをした人々の治療のために血液が必要だという便りに、市民たちが集まった。 カルリル・レパイウミは献血台に横になり、「これはエジプトのための血」 と話した。 カイロ市民3000人余りは ‘怒りの金曜日’ と命名された28日のデモの時、エジプト博物館の一部遺物が略奪されると「遺物は私たち皆の財産」としながら、人間の帯を作り博物館を守った。チャヒ・ハワス エジプト古代遺物最高委員会委員長は「棒だけでかろうじて武装し、博物館を守った若者たちが非常に誇らしい」 と話した。
チョ記者は韓国民主化運動の歴史的出来事だった光州事件を思い浮かべ、「1980年光州でそうだったように、エジプト革命の混乱の中でも分かち合いと共同体意識は芽生えている」と書いている。
【国際署名への呼びかけ】 Avaazから来たメールを翻訳して紹介します。民主主義革命に立ち上がったエジプト人たちを傍観するわけにはいきません。署名をよろしくお願いします。
署名サイト https://secure.avaaz.org/en/democracy_for_egypt/?vl 独裁政権打倒に立ち上がったエジプト人を支持するAvaazの署名運動 http://unitingforpeace.seesaa.net/article/183460487.html エジプト大使館 http://www.embassy-avenue.jp/egypt/index-j.htm
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友人の皆様
抗議に立ち上がった勇敢なエジプト人たちは今後数時間で、エジプトとその周辺地域で独裁が勝つのか、それとも民主主義が勝つのかを見定めることになるだろう。これらのエジプト人たちは国際連帯を訴えている。これに大きく応えよう。そして各国政府にも勇敢なエジプト人たちを支持する責任があることを分からせよう。声明に署名を!
https://secure.avaaz.org/en/democracy_for_egypt/?vl
声明: 私たちは、自由と基本的人権、弾圧とインターネット統制の停止、速やかな民主主義改革を要求しているエジプトの人々を支持する。私たちは、自国政府が私たちと共にエジプトの人々と連帯するよう求める。
≪署名方法≫: すでにAvaaz に登録している人は、「Already an Avaaz member?」のEmail欄にメールアドレスを入力し、赤いSendをクリック。 初めての人は、下の「First time here?」のName、Email、Country、Post Code(郵便番号)、Cell/Phone(電話番号)の各欄に入力し、赤いSendをクリックしてください。
何百万人もの勇敢なエジプト人たちは、今まさに運命の選択を迫られている。この数日間で数千人が投獄、傷害を受けるか、殺害されてしまった。しかし平和的な抗議をたたみかければ、何十年間も続いた独裁を終わらせることができるだろう。
抗議に立ち上がった者たちは国際連帯を訴えているが、独裁政権はこのような事態における連帯の力を知っている。だからこそ独裁政権は死に物狂いでインターネットとモバイルネットワークを完全に遮断し、エジプト人たちを世界から隔絶させ、エジプト人同士の連絡を絶とうとしている。
しかし衛星ネットワークとラジオネットワークで体制による情報統制を打ち破ることができる。巨大な連帯の叫び声を電波に乗せて溢れ返させ、私たちがエジプト人たちに支持していること、自国の政府にも支持する責任があることを分からせるつもりであることを示そうではないか!状況は時々刻々、転換点にある。 下をクリックして連帯メッセージに署名をし、このメールを転送してほしい。
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ピープルパワーが中東を席巻している。過去には平和的な抗議で30年に及ぶチュニジアの独裁を打倒した人々がいた。今は抗議行動がエジプト、イエメン、ヨルダン、さらにその外に拡大している。これはアラブ世界におけるベルリンの壁運動になり得るものだ。独裁政権がエジプトで倒れれば、民主主義の大きなうねりがこの地域全体を呑み込むだろう。
エジプトの独裁者ホスニ・ムバラクは、集会の弾圧を画策した。しかし信じられないほどの勇気と決意でもって、抗議者が集まり続けている。
権力によってではなく、人民によって歴史が書き換えられる瞬間がある。今回がそれだ。普通のエジプト人たちによって今後数時間で示される行動は、自国とその地域、私たちの世界に甚大な影響を及ぼすだろう。 私たち自身がこれらエジプト人たちの闘いを支持すると誓うこと で、励ましてやろうではないか。
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ムバラク一族は国を離れたが、ムバラクは昨夜、軍に街へ出るよう命じた。ムバラクは不気味な口調で、自身が「カオス」と呼ぶもののためには一切容赦しないと公言した。いずれにしても、歴史は今後数日で決まるだろう。この時をもって、地球上のあらゆる独裁者に対して、連帯した人々の勇気にいつまでも抗えないことを示す瞬間としよう。
希望とエジプト人民に対する尊敬をもって
Ricken、Rewan、Ben、Graziela、Alice、KienほかAvaazチーム一同
詳細情報:
激動のエジプト:大抗議行動を受け警戒態勢が敷かれる http://www.bbc.co.uk/news/world-middle-east-12303564
エジプト政府がインターネットを遮断 http://www.renesys.com/blog/2011/01/egypt-leaves-the-internet.shtml
北アフリカ:ドミノ倒しはこの地域で起こるか? http://allafrica.com/stories/201101280659.html
息子と妻の逃亡でエジプトのムバラクは終わりの始まり
http://www.ibtimes.com/articles/105117/20110126/beginning-of-the-end-for-egypt-s-mubarak-as-son-and-wife-flee.htm
アムネスティ・インターナショナルがデモの弾圧を非難
http://amnesty.org/en/news-and-updates/egypt-must-stop-crackdown-protesters-2011-01-26
エジプト人活動家が定期的に情報を更新しているサイト http://www.elshaheeed.co.uk
エジプトにおけるデジタルフリーダムを求めるACCESSキャンペーン https://www.accessnow.org/page/s/help-egypt
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